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小学生でもわかるお金の授業②

久々のお金の授業第二弾!


授業風にお金の勉強をしていきましょう。


今回の授業は

「日本の累進課税制度」です。


では、いきましょう!

先生:

まず、みんな税金っていう言葉を知っているかな?

税金は、私たちが道路や学校、病院などの公共のサービスを利用できるようにするために、国や地方自治体が集めるお金のことだよ。

このお金は、みんなが働いて稼いだ収入や、物を買った時に一緒に払うお金から集まってくるんだ。

累進課税制度というのは、一言で言うと、

「稼ぎが多い人は多くの税金を、稼ぎが少ない人は少ない税金を払う」

システムのことを指すんだ。

想像してみてほしい。

10個のお菓子がある友達と、1個しかお菓子がない友達がいるとするね。

ここで、みんなで遊ぶためにお菓子を少しずつ集めようとしたら、どうすると思う?

10個ある友達からは2個ぐらい、1個しかない友達からはお菓子を取らない、そんな風にするかもしれないね。

これが累進課税の考え方だよ。お金をたくさん稼いでいる人からはもっと多くの税金を払ってもらうんだ。

これは、みんなが生活をするための公平さを保つためなんだよ。

例えば、収入が少ない人が税金に生活費の大部分を使ってしまったら、それは公平じゃないよね。

だから、収入が多い人ほど多くの税金を払うようにするんだ。これが累進課税制度の目的だよ。


生徒:


稼けば稼ぐほど多くの税金を払わないといけなくなるなら、収入を多く稼がないほうがいいの??


先生:


それはちょっと違うよ。

確かに、累進課税制度では収入が多いほど税金が多くなるけど、税金は収入全体から取られるわけではないんだ。

税金は収入の一部を国や地方自治体に支払うもので、収入が多ければ多いほど、税金を払った後に残るお金も多くなる。

例えば、一人が年間1,000万円稼ぎ、別の人が年間5,000万円稼いだとするね。

累進課税制度があるため、5,000万円稼いだ人は税金として比較的大きな金額を支払うことになる。

でも、税金を払った後でも、手元に残るお金は1,000万円を稼いだ人よりはるかに多くなるんだ。

だから、「収入を多く稼がない方がいい」というわけではないよ。

収入が多いと、生活の質を向上させたり、貯金や投資をしたり、趣味にお金を使ったりすることがより可能になるからだよ。

累進課税制度の目的は、社会全体の公平性を保つことであり、個々の人々が働き、成功し、収入を得ることを阻止するものではないんだ。

このシステムは、富を公平に分配し、社会サービスを資金提供するために、より高い収入を得ている人々からより多くの貢献を求めるように設計されているんだよ。


生徒:


収入を多く稼いだ人はどれぐらいの税金を支払うことになるの??


先生:


良い質問ですね。

日本の所得税の税率は

  1. 195万円以下:5%

  2. 195万円超〜330万円以下:10%

  3. 330万円超〜695万円以下:20%

  4. 695万円超〜900万円以下:23%

  5. 900万円超〜1,800万円以下:33%

  6. 1,800万円超〜4,000万円以下:40%

  7. 4,000万円超:45%

これらの税率は、累進的に適用されます。

つまり、所得がある範囲に達した部分だけがその範囲の税率で課税され、所得全体がその税率で課税されるわけではありません。

そのため、全体的な実効税率はそれぞれの部分の税額を合計した後で、所得全体に対して計算されます。


生徒:


難しいですね…

例えば、年収1000万円と800万円の人がいたとしたら数字だけを見れば年収1000万円の人の方が手元に残るお金が少なくなるように思うんですけど…


先生:


そこはよく勘違いされる部分ですね。

では、具体的にどのように計算されるのか見てみましょう。


年収1,000万円の場合

  1. 195万円 × 5% = 9.75万円

  2. (330万円 - 195万円) × 10% = 13.5万円

  3. (695万円 - 330万円) × 20% = 73万円

  4. (1,000万円 - 695万円) × 23% = 70.15万円

所得税の合計は、9.75万円 + 13.5万円 + 73万円 + 70.15万円 = 166.4万円

手元に残るお金は1,000万円 - 166.4万円 = 833.6万円となります。

年収800万円の場合、所得税は次のように計算されます。

  1. 195万円 × 5% = 9.75万円

  2. (330万円 - 195万円) × 10% = 13.5万円

  3. (695万円 - 330万円) × 20% = 73万円

  4. (800万円 - 695万円) × 23% = 24.15万円

所得税の合計は、9.75万円 + 13.5万円 + 73万円 + 24.15万円 = 120.4万円

手元に残るお金は800万円 - 120.4万円 = 679.6万円となります。

このように、所得税は年収が高くなると増えますが、手取り額も増えます。そして、所得全体が最高税率で課税されるわけではありませんので、「収入を多く稼がないほうがいい」というわけではないのです。


生徒:


なるほど~、よくわかりました!


先生:


しかし、これらはあくまで概算で、具体的な額は所得税の各種控除や地方自治体の条例によります。

また、都道府県民税も含めて計算するとさらに複雑になります。

今回の授業ではよく勘違いされる稼げば稼ぐほど税金を取られて損するという概念を払拭するための授業でした。

本日の授業はここまでです。


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