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Joey Bada$$ -等身大の伝道師-

HipHopはカルチャーでありライフスタイルである。
日常から切り離された、耳で聴いて、頭で理解する音楽ではなく、
生活や環境のすべてにリンクし、そこから生み出され、
それらを表現する手段のひとつである。

Joey Bada$$のライブに参加して。
あまりにも素晴らしい経験ができたので、
身をもって体感できたことを、
少し大げさに書いちゃいました。

ヒップホップに限らず、
私自身そこまでライブというものに参加したことがなかったです。
これまではストリーミングで日々音楽を聞いて、
聴覚的に気持ちよくなることで満足していました。
音楽を聴いて、歌詞の意味を調べて、リアクション動画を見たり、
そういった感じです。

でも彼のライブに参加して、
初めて現場でしか経験できないものがあると気づくことができました。
ライブにいく価値を遅ればせながら理解できました。
それは単に盛り上がりなどではなく、
ヒップホップというものを体感できるということです。

私には彼がヒップホップの伝道師のように見えました。
彼自身がヒップホップというものの中に置かれた存在であり、
彼の身近な環境にヒップホップの要素がある、
というような印象を受けました。

たぶん私がUSラッパーのライブに初めて参加したことや、
彼のいる環境と私との環境に大きなギャップがあり、
その差分だけ受け取るインパクトが大きかったからだと考えます。

そしてそのギャップを私が認識できたのは、
彼のライブパフォーマンスで見せるデリバリー力や、
彼の身近に起きていることを、
近視的に捉えて的確な言葉を紡いで、歌詞に落とし込むだけでなく、
日本にいる私が理解できるまでに、普遍的なものへと昇華させ、
人々の器・受け皿としての役割を発揮している、
またそれを担保している圧倒的な技術があってこそだと考えます。
1000人規模の会場であったため、派手な演出もないステージで、
マイクとDJのみのパフォーマンスであったため、
こうしたことがより浮き彫りになり、
華美に脚色されずに削ぎ落とされたパフォーマンスだったからこそ
感じられたものだととも思います。

同時にヒップホップは極めてアメリカ的で、
黒人文化に根付いたものであるということを、
今回気づくことができました。
黒人の文化に根付いたヒップホップが、
国をまたいで、また音楽的な枠組みとしても、
あらゆるその他の事柄との境界線を限りなく薄くして、
その広がりのなかで、私もライブの時間だけでも、
共鳴することができたと感じられた素敵な体験でした。

余談ですが、
彼が「17で活動を始めて10年以上経つが、まだ28なんだぜ。まだ30にもなってないんだぜ。」と言っていたり、KissCamでファンのカップルを移した後に、自身のパートナーをステージに迎える場面や、ライブ直後にインスタでファンのストーリーを載せてキャプションをつけているのを見ると、とても身近で等身大な存在にも感じられました。

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