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第14回PKCレポート

こんにちはkinghaloです。今回は、先日行われたPKCのデータのまとめが終了したので公開したいと思います。

PKCってなんぞや?という方に簡単に説明させていただくと、「KC前に数十人規模で勝敗付けながら無限にポイントバトルやってデータを合体させれば環境把握が完ぺきにできるんじゃね?」という試みです。

よくある大会データなんかだと分布や勝率と言っても多くて128人、数十試合程度なものですが、今回のPKCでは6000試合以上のデータを基にして詳細なレポートを作成しています。
そもそもKCのためのレポートを作るために開催していますから、トーナメント形式の大会のおまけとしてのレポートとは質、量ともに大きく違います。

また、参加者には厳しい参加条件を設けています
具体的には、過去1年間のKCで上位500位以上に入ったことがある、もしくは直近のKCで400戦以上走った(=モチベーションが非常に高いこと)です。
この結果、1試合の質も保証されています。今回は、18名の金アイコン保持者と20名以上の銀アイコン保持者が集まった上、参加者の人数も100人を超えました。
やはり、実力者同士の試合とそうでない試合とでは結果が大きく変わるのが遊戯王です。実力者同士の試合だからこそデッキのポテンシャルを正確に計ることができるのではないでしょうか?

レポートでは各テーマの詳細な対面勝率の他、優秀な成績を収めたデッキのレシピを全て掲載している上、今回から入賞デッキ毎の詳細な試合データも別途まとめています。
PKC参加者の中からほぼ毎回金アイコンが出ていますから、今回も世界最強のデッキが眠っているかもしれません。
前回のPKC参加者の中からも複数名の金アイコン、銀アイコン獲得者が誕生しました。

KCGTに本格的に取り組むのであれば、必ず手に入れるべき内容だと思っています。ぜひ御覧ください。
実際にどのようなものなのかを詳しく知りたい方のために、前回、前々回のレポートを公開しておきます。これを見ればより優秀なレポートであることがわかるはずです。

分布

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分布はこのような形になりました。
新弾でリゾネーターが実装される前の環境ではハーピィの一強状態でしたが、ここに来て環境が大きく塗り替わりました。
リゾネーターがハーピィを押しのけて堂々のシェア1位。次いでハーピィ、トラミッドと続きます。

3番手のトラミッドですが狩場ハーピィに対しては明確に不利というのが通説だったはずで、ここまでシェアを伸ばしたのは
1)流行りのリゾネーターに有利だと考えるプレイヤーが多かった
2)ハーピィがリゾネーターの台頭で勢いを失ったから
3)ハーピィさえ少なければその他のデッキには勝てるポテンシャルを持っていたから

以上の3点が理由として挙げられます。
実際のところトラミッドがリゾネーターにどれほど有利なのか、またハーピィがリゾネーターにどれほど不利なのか、そして他のデッキに対してはどうなのかは次章の相性表で確認していきましょう。
いずれにせよ、トラミッドの台頭は環境が大きく変わったことを表しています。

4番手以降それほどシェア率に差がなく様々なデッキがひしめいていて、かなり混沌とした環境であることが伺えます。
これほど多くのテーマが乱立している環境では明確なメタを張ることは難しく、デッキ選択に悩まされるKCとなりそうです。

この雑多環境を抜け出せるポテンシャルを持ったデッキは何なのか?そもそもシェア率1位のリゾネーターはどれほどのポテンシャルを持っているのか?主要テーマの相性表を作成したのでそちらを見ながら考えましょう。

これから下で公開するデータの数値についてですが参加者の入力ミス等によりデータに錯誤が生じている場合があります。
±3%程度で目安として見てもらえればと思います。


また先後別勝率のデータのみ、データの一部を紛失したため入力ミス修正前データを使用しています。今回は入力ミスが少なかったので大きくは影響しないはずですが参考程度でお願いします。
その他のデータは修正後のデータを使用しています。

主要テーマの勝率と相性表、1時間毎のシェア率の変化のグラフ

お買い上げいただきありがとうございます!それでは話を続けましょう。

相性表

トップシェアのリゾネーターの勝率は52%でした。基本的に仮想上位マッチングであるPKCにおいて、ミラーが多いこととメタを張られることからシェア率1位のデッキは限りなく勝率50%に収束するはずなのですがこの勝率は驚異的です。
ほぼ同率のシェア率があったハーピィに対して6割以上勝っていることがその原因でしょう。
そのおかげでハーピィの勝率は46%台と低迷していて、リゾネーターが流行っている以上落ち目と言わざるを得ず、シェア率はここから落ちていくはずです。

つまり先程の分布は過渡期の分布に過ぎず、本番ではハーピィはPKCの分布よりさらにシェアを落とすことが予想されます。

PKCの各パートでの1時間毎のシェア率の変化をグラフにしてみたので確認してみましょう。
もちろん各パートでの参加者は数十人規模ですので、数万人が参加するであろうKCほどは綺麗な環境の変化をするわけではありませんが、メタゲームの移り変わりの兆しは見ることができます。

第一部分布推移

第二部分布推移

第三部分布推移

すこし歪な部分はありますが、間違いなくリゾネーターが増えるとハーピィが減っていますし、ハーピィが増えると時間差でリゾネーターが増えています。
またここで面白いのが、トラミッドのシェア率の増減とハーピィ、リゾネーターのシェア率の増減にも相関があります。
リゾネーターが増えるとハーピィが減り、ハーピィが減るとトラミッドが増えています。
ここで相性表を見直すと、確かにトラミッドはリゾネーターに強く、ハーピィに弱いです。
トラミッド→リゾネーター→ハーピィ→トラミッド→‥という3すくみのサイクルが完成していて、このシェア率トップ3の循環が環境を定義しています。
ただ、リゾネーターと他2デッキの相性差が他2デッキたちの相性表より幾分マシな分、この3すくみサイクルは長い目で見ると相性表の通りにリゾネーターに分がありそうです

ではその他のデッキも見ていきましょう。

長くなったので相性表を再掲します。

相性表

4番手以降のデッキで勝ち越しているのは、オノマトとTGで、ギリギリ耐えているのはサンドラとサイバーでした。他のデッキ関しては惨敗という他ありません。
一番立ち位置が良さそうなのはTGで、シェア率3傑に明確な不利がついていない上にトラミッドに対しては明らかに有利です。勝率も一番高く注目するべきテーマであると言えます。
TGは2種類のタイプのデッキがありますので後ほどスキル別の詳細なデータを掲載しますがどちらのタイプも勝ち越せていて、相手ターンに安定してギミックによる妨害を行えることが勝因と言えそうです。

オノマトはトラミッドにこそ明確に不利ですがリゾネーターと互角に渡り合える上にハーピィに対して明確に有利です。
先程紹介した3すくみのサイクルのうち、ハーピィが増えるタイミングを狙い撃つことができればかなりの勝率を見込めそうです。

サンダードラゴンに関してはトラミッドには明確に不利ですが他2強には勝ち越せているのでこちらもタイミング次第でチャンスがありそうです。
一方サイバーに関しては3強のうち2テーマに不利がついているのでトラミッドが多いタイミングでサイバーを使った参加者が多かったから勝ち越せているだけ、と捉えるほうが自然な気がします。

さて、ここでもう一つデータから読み取れることを考えます。
勝ち越しているリゾネーター、オノマト、TG、そしてトラミッドはスキル、もしくは自身の性質上非常に安定した動きができることが強みのテーマであるということです。
特にトラミッド以外のテーマに関してはデッキの中の好きななカードを自由に手札と入れ替えるという、実際のカードゲームで行うと一発永久追放レベルのイカサマができるテーマです。
イカサマ野郎にプレイングと構築で勝負を挑んだところで一時的には勝ち越せても、長い目で見ると事故の分負け越してしまうはずです。
今回のKCは「安定感」が重要なキーワードになってくるのではないでしょうか。
炎王やサンダードラゴンがいまいちポテンシャルを発揮できない理由はここにありそうです。

相性表に出していないテーマの中にも優秀なデッキが存在していたのでそちらも見ていきましょう。

詳細な相性データ


※入力ミス等により相性表と一部錯誤が生じています。基本的に母数の大きい方を優先しています。母数の少ないデータは参考程度に見ていただければ
試行回数が少ないマッチアップは片側の対面をその他で省略している場合があります

先程も述べた通り今回の相性表は環境の過渡期のものであるはずなので、ハーピィが減る分シェアを伸ばせそうなテーマは要注目です。

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ある程度のサンプル数をこなせていてかつ勝率が高かったテーマはBF、メガリス、不知火の3つです。
BFに関してはほんまか?というぐらい綺麗に3傑に勝ち越せています。そこでデータを詳しく確認したところ先攻よりも後攻を10回以上多くとっていたのでそういうことです。
このデッキには最終日の夢が詰まっています。

不知火に関してはハーピィに勝ち越せている点が若干上振れたのかな?という印象はありますがリゾネーターとデータ上互角にやりあえている上、更に試行回数を重ねればデッキ相性的にはおそらく勝ち越せる(実際海外の大きな大会でも優勝していた)はずで、ハーピィ対面の上振れを差し引いても有力な候補と言えそうです。

メガリスに関しては狩場が本当に無理なデッキだったのですがその他には健闘できていますしハーピィのシェア次第では一波乱起こせそうな予感があります。ただし、こちらも確認したところ得意の先攻が後攻よりも10試合以上多かったので注意です
このデッキにも最終日の夢が詰まっています。

ただ、メガリスは後ほど掲載しますが複数回入賞しているのでポテンシャルそのものが非常に高いです。

では最後にTGの勝率をスキルによって分離してみましょう。

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どちらも非常に優秀です。
両方ともトラミッドには完全に有利で(おそらく相手ターンブラロで勝ち)フライトコントロール型は他2強とは互角にやりあえていて明確に不利なのは炎王くらいです。
デルタ型はサンプル数が不足していますがリゾネーターに対して明確に有利な可能性がある点が興味深いです。
どちらも非常に環境における立ち位置が良さそうです

スキル、先後別勝率

まずはハーピィとサンドラのスキル別データから

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ハーピィに関しては絆を使う意味がなさそうですね。狩場のみの勝率ならば50%近くまで持っていけているので、選択肢としてハーピィが完全に無いというわけではありません。むしろリゾネーターの増加に伴って増えそうなトラミッドや罠デッキに対しては圧倒的な勝率を誇っています。
全環境ほどの全能感はなくなった、というだけでむしろ充分使用を検討するべきデッキです。

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サンドラに関してはスキルによる勝率の差は想像以上についていません。
サンドラの問題点はスキルではなく、テーマの持つ性質によるものが大きそうです。やはり事故が多いテーマなので安定して勝つことができないのでしょう。

では次に先後別勝率を見ていきましょう
冒頭でも注釈をいれた通り、先後別勝率のデータのみ、データの一部を紛失したため入力ミス修正前データを使用しています。参考程度でお願いします。

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基本的に後手有利のゴッドゲーム環境です。著しく先後で勝率が変わるテーマの方がある意味夢を託すには相応しいです
逆に先後で勝率の差が少ないテーマの方が精神衛生上は良さそうです。

入賞レシピ

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複数入賞したテーマはメガリスだけで、やはり混沌とした環境であることが伺えます。
局所を入れることができるテーマ全てでサイクロンの方が優先して採用されていることは注目するべきポイントでしょう。
バック干渉を局所に頼ってしまうとトラミッドや永続を貼るデッキに対しての不利が助長されてしまうため、広く見ることができるサイクロンが優先されたのでしょう。

1部1位のリゾネーターに関しては4時間で80試合という驚異的なペースで試合をこなしながらの勝率60%で1位を取っていることをみるとかなり有力な構築なのではないでしょうか。

まとめと展望

改めてお買い上げいただきありがとうございました。
データを見る限りかなり難しいメタゲームが展開されそうでデッキ選択に悩まされそうですね。
環境の偏り方次第ではどのデッキにもチャンスとピンチが訪れそうです。
がむしゃらに走ることも大切ですが、〇〇が増えてきた場合は走るのをやめる、といったような止まるための基準を具体的に設定しておくことも非常に大切なKCになりそうです。
いつものKCよりも爆盛りする人、または大暴落する人が多発する気がします。

個人的な事情で今回は僕はフル参加することができないため夢を託すことができる上振れゴッドデッキを選定する作業に入りますが、フルで走る方は使用するデッキの選定はもちろんメタゲームの流れを強く意識した立ち回りを心がけましょう。
今回のKCは年に一度の特別なKCです。お買い上げいただいた方の中から1人でも多くの本戦参加者が生まれることを祈っています(結果が出たら宣伝してください!!!!

それではここまでお付き合いいただきありがとうございました。お互いがんばりましょう!

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