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落語「峠の茶屋」

古今亭今輔 (五代目)
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1972~4年頃のラジオ番組 (おそらくNHK) からの録音。タイトルは当時のカセットに書いてあった表記に従ったが、カバー画像のアルバムの「峠の婆さん」がこれかも。東京落語では新作派の雄ということになるのだろうが、ここで描かれている「田舎」は彼の故郷、上州伊勢崎あたりの風景が投映されているのだろうと思われるのは、7、8年前まで草競馬に使っていたという馬を引くオヤジ(騎手でもあった由)がなにげに出てきたり、当の婆さんが浅草の思い出を語ったりするあたりの「モダン」ぶりなどからも。主人公のふたりは十二階が倒れた後の生まれというから大正末から昭和初年の生まれ、高度成長期の会社員としておそらく30代半ばから後半くらいの設定かと。その割には戦前、昭和10年代あたりの「ユーモア小説」系の登場人物造型の匂いもするのは、戦後の「中間小説」あたりとの二重写しがあるのかも知れない。

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