法務求人に応募が来ない話
1.はじめに
初noteが法務系 Advent Calendarになるとはちっとも思わなんだ。
このバトンはChief Oniku Officer 重松様からいただきました。
Chief Oniku Officerにインスパイヤされて、社内でChief oyatsu OfficerとかChief onabe Officer自称することがあります。
普段はついったらんどで法務以外のことばかりつぶやく妖精さん(キングトロール)といいます。どうぞよしなにお願いします。
なお、本投稿は弁護士資格を有さない法務部員の採用活動を前提としています。
さて、掲題の話をするにあたって私のことと私が所属する会社のことをお話しさせてください。
(1)名前
妖精さん(キングトロール)。
(2)法務歴
もうすぐ7年生。無資格。
ロー卒→司法試験1回受けて撤退→ちょっと黒い会社で一人法務3年半→今の会社で2年半強。
1社目では法務の他に経営企画と内部監査を兼任していて、現職では労務総務の兼任をしています。でも法務がメイン。
(3)現職について
いわゆるスタートアップ。従業員規模は50人前後。採用拡大中で毎月5、6人は入社してきます。
領域としてはIT系でして、プライバシーテックやレギュテックカンパニーと呼ばれるような会社自称している会社です。
IPOだって準備中。VC入ってる。そんな会社です。
(4)採用したい理由
労務が辞めました。総務も辞めました。
3人いた法務担当は現在私だけしかおりません。
似たような領域でPublic Affairsという人たちもいて、適宜相談できる環境でしたがその人たちも全員辞めてしまいました。
そう、単純に人手不足なのです。
2.求人要項
弊社の求人要項は概ね以下のとおりです。
(1)法学部卒歓迎(ロー卒歓迎)
(2)35歳以下
(3)法務経験 1年以上
(4)ITに興味ある人
(5)年収レンジは400~500万
(6)フレックス。リモート率95%以上。
自分が入社したときの求人要項・条件とほぼ同じで求人票を出しました。
リアリティのある法務のスキルマップを管理部長に参照しつつ、求めるスキルは契約・総会役会・反社チェック【独り立ち以上】その他の項目は加点事由としました。
さて、求人を出して3ヶ月。応募状況は以下のとおりでした。なお、数字はイイ感じに概数にしています。
(補足)カジュアル面談通過には面談後の辞退も含めているため通過率は100%ではないです。
特筆すべきは、B社で160通のスカウトメールを送ってるのが返信率がたったの3%という点。トータルでも6%しかありません。なかなかつらい状況です。
また、法務求人はエージェント経由が強いと思っていましたが結果はイマイチという状況でした。
その理由として、
そもそも未経験や実務経験1年以上の人材がデータベース上200人いるかどうか
同じようなターゲット層に対している他会社は年収下限が500~600が8割
をエージェントが挙げていました。
マジかよ。ちなみに自分、法務未経験で29歳前後で340スタートでした・・・。もらえるところはもらえるのか。
えっ・・・!?
こういう声があるということは、どうやらエージェントが言うことは確からしいです。
確かに一次面接でお会いした人達の希望年収額は軒並み500万超えでした。中には最初から600万超えを提示する人もおりました。
なお、面接では経験やスキルを、リアリティのある法務のスキルマップを意識して問いかけています。
求職者の回答で、【初心者】と【独り立ち】の間どころか、「う~ん、これは【初心者】・・・」と思わざるを得ないようなスキル感を把握できた場面もあり、大変助かりました。
一連の採用活動を通じて、どうやら弊社の求人要項(求めるスキル・経験)と提示年収が釣り合っていないことはわかりました。
そこで、提示年収をあげるか、提示年収は現状維持として未経験に絞るかの対応をする必要があると考え、時期性を鑑み、弊社は後者を選びました。
なぜならば、折しも今は司法試験合格発表後。
司法試験を終えたロー卒生たちが続々と就職活動を始める時期です。
一次面接での経験から、中途半端な提示年収ではこちらが希望する経験者が来ないことがわかりましたので、しばらく司法試験撤退のロー卒未経験者路線で採用活動を続けようと思います。
3.まとめ
採用活動を通じて改めて以下を実感しました。
中途半端な年収額を提示しても経験者は来ない。
思ったより法務経験者の市場価値が高い。レッツ転職。
中途半端な年収額を提示するなら、教育コストを覚悟して未経験者を採用したほうがいいかも。
当然といえば当然の実感ですね( ´∀` )
次のバトンはMiya様です。
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