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【BORDER .8】The “border” between “us”

The “border” between “us” / 半田 翔 (KINEMAS,SAKABARS / Drums )


どうも、Kinemas/サカバーズでドラムを叩いている半田翔です。

そもそもKinemasで演奏することも多くはない僕なので、初めましての方も多いんじゃないでしょうか。初めまして、よろしくお願いします。


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さて今回、宮下さんを旗手としてKinemasメンバーで”BORDER”をテーマにコラムを寄稿し合うというこの企画、僕にとって”BORDER”と聞いてまず思い浮かんだのは「国境」でした。英単語としての”Border”はこの意味を指すことが多いので安易といえば安易なのですが。

「国境」、人間社会の中で明確にこちら側と向こう側を隔てるものとして最たるもののひとつだと思います。その境い目を超える為には双方の国の許可が必要で、その向こうには文化、言語、生きてきた人生のベースが根っこから違う人々が暮らしている。

僕にとってその違いを肌で体感するのが凄く刺激的で、ここ何年かは隙を見て一度も行ったことのない国に旅行に行くようになりました。

Kinemasとしても台湾、韓国と参加させて貰っています。楽しい思い出です。


一番最近の旅行はというと、奇しくも現在のコロナ禍が世界に広まっていく直前、2月の前半にヨーロッパへ行って来ました。(帰りのタイミングがKinemasのソウル公演と一緒で、到着した中部国際空港でボランくんに会えたりしました笑)

5年ほど前にスコットランドのグラスゴーというところに1年ほど住んでいたのですが、そこではEU圏内の移住が自由なのもあって他のヨーロッパの国出身の人々と触れ合う機会が多く、彼らの母国も見てみたいなぁと思っていたのですがなかなか実現できず、僕としてはずっと機会を窺っていた待望の旅行でした。

期間は2週間ほど、その中でイギリス→フランス→ポルトガル→スペインと計4カ国を強行で飛び回ったので各国有名な観光どころを撫でるだけのような旅でしたが、(しかも一度フライトを逃すという痛恨のミスもやらかしてるのでスケジュールはさらに過酷でした笑)

その中で一番印象に残っているのが、ポルトガルのファロという町です。


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ファロはポルトガルの最南端に位置する港町で、小一時間もあれば周れてしまうような小さな町なんですが、イギリスに住んでいると思っていたグラスゴー時代の友人に連絡をとったら現在はここに住んでると聞き、こんな機会がなければまず辿り着くことのない場所なのでどうせなら会いにいこうと半ば勢いで向かいました。ノープラン一人旅の最大の利点ですね笑。

そこで友人と再会して昔話に花を咲かせる中、次の日彼女の友人がこの町を離れるということで送別会を開くんだけど一緒にどう?と誘われました。

完全に初対面の人の送別会に誘われるというのもかなりのカルチャーショックなんですが笑、これもまたなかなかない機会なので快諾し参加。

場所は彼女の友人の下宿先の屋上で、そこに来たのは8人ほど、出身年代職業もバラバラな人たちが集まっていました。


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皆さん完全初対面の僕も受け入れてくれて笑、そこで色々な話をしました。

SOHOで生計を立てながら世界中を車で周って生活している人の体験談、夫婦で来ていたイギリス人女性とポルトガル人男性の馴れ初めの話、タバコは吸ってるけど心を清らかに保てば病気にはならないと豪語する下宿大家のお婆ちゃんのスピリチュアルな話笑etc.etc…

彼らと話していて得られる刺激は僕が海外に行くことで求めている刺激そのものでした。

全く違う生活様式や人間関係に驚くこともあれば、そんな中でも感じていることは自分と近いものだったりする。久しぶりに味わう自分の中の「当たり前」が揺らされる感覚がとても気持ち良かったなぁ。

振り返れば、観光として周るヨーロッパの国々も十二分に刺激的だったけれど、やはりあの日の出来事が一番思い出として残っています。


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その旅から帰ってきて余韻に浸っている合間に、日本を含め世界を取り巻く環境は目まぐるしく変わってしまいました。

今現在もなお国境はより強い形で国同士を隔てているし、緊急事態宣言下の自粛という環境で僕ら個人同士の隔たりも強くなっているように感じてしまいます。

境い目の向こう側は、時に想像することでしか補完できないほど遠いもので、その想像もこちら側の「当たり前」をベースにする以上実際とはかけ離れた像を結んでしまうことも少なくありません。

また、その向こう側を見たから自分はその違いを知っているというのもきっと驕りで、自分という一人称を始点にする限り、その「向こう側」とを分かつ隔たりを取り去ることは不可能と言えるかも知れません。

例えば、海外旅行という最初からエンターテイメント性を多分に含んだものの中で自分と周りの違いを受け入れる、なんていうのはとても簡単なんですが、実際の生活の中で隣の人との違いを認め合うのはすごく難しかったりします。

今の状況だとお互いに気持ちの余裕なんてないし、「こちら側」同士だと思っているから余計に違うことが認められない、なんていう感情もあるかも知れません。

違いを楽しむ、なんていった姿勢は能天気かもしれないけれど、正しい/間違っているの判断が非常に難しい現代の環境の中で、せめて感情に任せて自分と違う相手に悪意をぶつけてしまうことだけは避けていきたいなぁと思っています。

これを書いている5月14日現在、今の状況にもようやく少しだけ良い兆しが見えてきたように感じます。

一刻も早く皆さんが何気ない日常に戻れることを祈っています。

読んで頂いた皆さんと直接お会いできる日が来ることを楽しみにしながら。
初めましての方、また直接初めましてをしましょう笑。


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2015年、ボーカル&ギター宮下浩を中心に結成。主に東京・名古屋・京都大阪に在住の、総勢20名程のミュージシャン達によるポップス集団。台湾WAKE UP FESTIVAL (4年連続出演)、FUJI ROCK FESTIVAL オフィシャルラジオブース出演、等。

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