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KINEMAS、フジロックで飯を出す。第10回(全10回)

チーム解散。さらば苗場。

2019年7月29日 月曜日。天候にも恵まれて、片付けするには最高の天気です。朝起きると、宿の店長さんが朝ごはんを作ってくれてました。更におにぎりまで。もうこの人天使かと思いました(笑)。

会場の荷物をトラックに積んだり、段ボールを会場のゴミ捨て場に捨てたり。ゴミも当然ながら大量に出ちゃいますね。オアシスエリア全テナントのゴミが集まって、山のようでした。片付けのために業者が入ってくると、もうあっという間。現場の男の作業、って感じです。リョウギは体格的に現場仕事感があるからなのか、地元の業者にも「大将!」と呼ばれていました。

みんなで協力して冷蔵庫を車に載せたり、借りてきたテーブルを拭いたり等々。荷物を着た時のようにトラックに積んでいきます。午前中からはじめて、お昼過ぎには大体の撤収が終わりました。他の出店者さん達の撤収はさらに早くて、僕らが終わったころにはもうほとんど誰もいませんでした。

最後に現地のフジロックスタッフの人達にご挨拶。この期間、大変お世話になりました。京都の「万屋」と、バンドの「キネマズ」の合同で出店してて、キネマズは土曜日に演奏もしたんです、というと「バンドだったんですね!知らなかった~言ってくださいよ!」と。いつかバンドでここに戻ってこれたら、その時はライブも見に来てほしいです。

会場に別れを告げ、宿に戻って個人的な荷物も載せていきます。宿の店長さんとの最後の別れ。「もう来年は来ないでね」と言われましたが(笑)、帰り際、とても寂しそうにも見えました。フジロックの時期は沢山の人が一気にここにきて、そして一気に去っていくんだそうです。治安とかゴミとか、様々な問題と隣り合わせのようでした。苗場で暮らすって、どういう気持ちなんだろうな。この街が街として成り立っているのは、沢山の人の生活がここにあるからなんだと。興味本位の僕らに、ビジネス以外で何か返せるものってあるのかな。それはきっと、これからの自分たちの活動や生き方が結論づけていくことなんだと思う。

苗場から、一部名古屋を経由して京都までの旅。不眠不休の一向、さすがに長距離運転にはやられました。もう寝る、死ぬ!と思った時もありました。実際になれないマニュアル車で高速道路でスピードが出なくて・・・みんな、僕が死んだと思った時があったそうです(笑)。いや笑えないんですけど。

気力とか体力とか・・・とにかく必要な人間的エネルギーをフルに使いつつ、先に名古屋で降ろしてもらいました。京都組はこの後も荷卸しや、トラックや冷凍車の返却がありました。今振り返ると余計に思います。荷物のことはもちろん、荷物に限らず、名古屋のみんなにも京都のみんなにもめちゃくちゃ負担かけてしまいました。申し訳ない。みんなのおかげです。本当にありがとうございました。

これで僕らのフジロック初出店の旅は終了。この後電子マネーの精算等々もありましたが、一旦苗場への行程は区切りとなりました。京都組も名古屋組も、本当にお世話になりました。




2019年8月下旬。全ての精算が終わりました。大雨の影響もあってか、僕らのフジロック初出店は残念ながら赤字になってしまいました。




2019年12月28日。ようやく僕はこの夏の出来事を振り返って、この文章を書いています。季節はすっかり冬になり、2019年ももうじき終わります。その間KINEMASは台湾ツアーや韓国ツアー、キャンプフェス等々、沢山のライブや遠征にも行きました。それでもフジロックの苗場での時間は、今でもこうして書き起こせるくらいに鮮明に残っています。あまりにも濃い時間で、一時は感情的にも感傷的にもなっていましたが、次第にそれも落ち着き、時間が経ってようやくここに纏めようと思うに至りました。

思い返すと反省のポイントは多々ありますが、やはりその大半は「フジロックのフード出店を経験していない」ことが原因でしょうか。もし僕がフード出店を生業にしていたら、きっと来年もエントリーして、その時はもっとうまくやれると思います。でも僕はミュージシャンなので。来年は、バンドとしてやりたいことも沢山ありますしね。

2020年のフジロックは、東京オリンピックの都合上8月開催になります。7月と8月じゃ苗場の気候もかなり違うとのこと。早速この夏、オルグのチームが8月に苗場に出向いていました。もうみんなはじまってますね。僕もただ遊びに行くのか、何かしらに関わっていくのか、はたまた行かないのか。どうなるか全くわかりませんが、またみんな夏にあの場所に帰ってくるんだと思うと、それだけでなぜかとても誇らしい気持ちになっています。


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