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ミッドサマー(2020)

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1ヶ月くらい気になってたミッドサマー。


明るいのに怖い? 明るいことが怖い?  予告編も不穏だけど鮮やかだし、どう怖くなるのか想像がつかないから余計に怖い。。。

ホラーは好きじゃないからどうしようか迷ってたけど結果 観て良かったです(+_+)

フェスティバルスリラーとか、フォークホラーとか、失恋映画とか、はたまたセラピー映画とか、いろいろ言われてる不思議なこの映画。

それだけ観る人の精神状態を揺さぶってくる映画のような気がしました。

見に行く日の前日には 勇気を振り絞って「ヘレディタリー」を観ましたが思っていた日本的なホラーとは違ったので(でも怖かった)あぁこんな感じのホラーなのかと予習出来たので落ち着いてミッドサマーも観ることができましたね。

とは言え、ホルガ村での祝祭は、なかなかにグロテスクで人身御供な展開が多く耐性のない方は気をつけて観た方がいいかもしれません…。

(微妙にネタバレあるかもです)

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お話は最初から鬱々とした展開で、ダニーの不安と不快感が増してく感じが、ひしひしと伝わって 観てる自分も鬱々となってしまいました…。

別れたいけど切り出せない彼氏のクリスチャン、家族がいなくなってクリスチャンに頼りたいダニー。

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旅行に行く行かない、話した、話してない。

そのやりとりのリアルなこと…。

そして私も同じようなやりとりしてたことがあったわ…と思い出しては更に憂鬱になる…。

行ってほしくないけど制限はしたくないし、でも自分の不安定な時に支えてほしいって欲求も消せなくて…悪循環。

クリスチャンは酷いことはしてないし、  それなりに合わせてあげようとしてるんだけど、もう気持ちが離れてるからなのか、  もともとそうゆう相手の心情を理解してあげるってのが出来ないのか、表面的で面倒くさい状況にならないようにしてるようにしか感じられない。。。

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(後の友人とのレポート問題でも取って付けたような浅い理由しか言えない)

何か芯のないブレた男って感じでしたね。

ホルガ村でも他の友人たちは何かしらに興味を持ったり考えたりしてるのに、何にも興味もなく他の人たちの流れに適当に乗って、女の子にも乗って(!?)流れ流され最後は自分の意志で動くとこすらできなくなってました。

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ホルガ村にきて数日、友人たちがいなくなっていくなか祝祭は続きます。

ホッハッ!!

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太陽が燦々と輝いて、花も木々も命を謳歌しているように繁って、ホルガ村の女性は恋にダンスに楽しみながらダニーと親しくなっていきます。

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夏の空と眩しい緑に色とりどりの花がサイケデリックに入り乱れて祝祭のクライマックスに向けて不穏さを煽っていきます。

しかし鮮やかに盛り上がる祝祭の中でクリスチャンのある行動をきっかけにダニーの不安や苦しみは限界を迎えてしまいます。

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押さえ込んでいた黒い想いが絶叫となって一気に吐き出される時、周りのホルガ女子が一緒になって絶叫して共感してくれてる事で不思議と落ち着いていくダニー、それを観ていた私も、危うく一緒に絶叫しそうな気持ちになっていました!

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女性から人気ってのもこの共感とかの部分が影響しているんじゃないかと思いました。

(女子会での彼氏のグチとか職場の悩みとか聞き合っては『えー!ムリー!』『嫌だ~!』とか言うみたいな)

ホルガの共感は不自然で意図的だけど、  それでも何となく最後はダニーは解放されてハッピーエンドに思えてしまうのが怖い…。

でも洗脳と言われたらそうだと思うし、生贄になった友人たちはかなりの恐怖でしかない。

でも、それでも! そんなに悪くないんじゃないの?って思ってしまうのがホルガ村の恐怖なのかもしれません。

あと生死観と言いますか、前半の衝撃的な場面の説明も意外とすんなり受け入れられたのも、そんな風に思ってしまうことに関係してたりするかもしれないです。

自然崇拝のカルト村ではあるんだろうけど、絶対的な教祖がいないのと、権限をもってる(?)のが女性なのが嫌悪感が少ない事のようにも思います。

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勝手なイメージですが、カルト的なリーダーは男性が多くて信者の女性を性的にも支配してることが多い気がするんですよね。

その点、ホルガ村は残酷な儀式はあれども 女性が虐げられることなく、セックスの相手も自分で決めて、アプローチできるし、占いで相手を見極めてくれる。

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リーダーの女性の許可が出てからじゃないと出来ないのも、男性の欲望にふりまわされず若ければいい的な排泄目的の目線とは違う感じがするし、いざその時も みんなが見守ってくれるから男性本位な事はされないのも、ある意味では安心!?

そうゆう女性が何となく感じているような日々のモヤモヤしたモノを燃やし尽くして浄化するように終わっていった祝祭。

カップルで来ていた男性は、違う意味で様々な恐怖を感じたかもしれませんが女性には意外にスッとする不思議な恋愛映画だったのかもしれません。

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