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西洋剣術教室の選び方③

今回、私が話すことは「これを知っておくとムダな時間を過ごさなくて済みますよ」という話の「西洋剣術教室編」です。

この記事は特にこんな人におすすめ
・これから西洋剣術を習い始めようとしている人
・日本で西洋剣術教室を探している人
・ムダな時間を使いたくない人


このシリーズの「イイタイコト」

・西洋剣術を分野ごとに分けると「武術」「学術」「芸術」の3つになる。
・だから西洋剣術教室も上記の3つに分かれる。
・自分が習いたい西洋剣術はどの分野かを考えて教室を選びましょう。


本文はここから


前回の記事『西洋剣術教室の選び方②』では、西洋剣術の3つの分類と、学術分野の西洋剣術教室についてお話しました。

シリーズ第3回目の今回は「芸術分野の西洋剣術」についてお話します。


芸術分野の剣術を”殺陣”と言います。

日本では、芸術分野の剣術を”殺陣”と言います。もっと噛み砕いて”チャンバラ”と言っても良いかもしれません。

アメリカでも”殺陣”に当たる言葉があるのですが、全く同じ意味の言葉ではありません。また、”チャンバラ”に当たる言葉もありますが、こちらも同様に全く同じ意味ではありません。日本とアメリカの”殺陣”の違いというのは、両方を経験した人でなければわかりません。例えそれが俳優であっても、殺陣師であってもです。ただ、こういった細かい部分はプロフェッショナルの世界の人間だけが知っていれば良いことなので、ここでは”和殺陣”・”洋殺陣”という言葉を使わせていただきます。

ちなみに、この”和殺陣”・”洋殺陣”という言葉は、私が過去に一緒に仕事をした殺陣師の方が使っていた言葉です。素晴らしい殺陣師さんなので、敬意をもってありがたく使わせていただいております。

芸術分野の西洋剣術

私は芸術分野の西洋剣術の専門家です。

ですから、この分野についてはかなり詳しく話すことができますが、はじめての方も読んでいらっしゃると思いますので簡単に説明します。

芸術分野の西洋剣術には3つの分類があって、「アクター」「インストラクター」「ディレクター」のどの立場でアプローチをするかで分けられます。

この3つは同じ分野でも役割が違うので、求められるものが異なります。もし、あなたがアクターであれば舞台用の西洋剣術の技術と知識だけを勉強すれば良いのですが、インストラクターであれば、舞台用の西洋剣術だけでなく、歴史的な西洋剣術も勉強しなければなりません。また、インストラクターは武器や防具の構造や戦闘理論なども学びます。そして、ディレクターになりたいのであれば、これらに加えて舞台と映像の違いを勉強したり、世界史や民族史などの歴史分野の勉強をしなければなりません。

西洋剣術は「武術」「学術」「芸術」の3つに分かれると話しましたが、こ「武術」と「学術」の両方の性質を併せ持つのが「芸術」なのです。

このように聞くと「武術」や「学術」の先生は「芸術」を教えることができないけど、「芸術」の先生は「武術」も「学術」も教えられると思うかもしれませんね。その考えは正しいです。

しかし、どの先生も自分の分野を超えて仕事をすることはありません。これはヨーロッパのビジネスの根底にある「ギルドの考え方」があるからです。(「ギルドの考え方」については話が変わってしまうのでここでは話しません。)


芸術分野の西洋剣術を習うならどこ?

2021年の現在で芸術分野の西洋剣術を習える場所はいくつかありますが、その中でオススメできるのは1箇所です。

私が教えているSword Academy Japanです。

Sword Academy Japanと書いてソードアカデミージャパンと読みます。団体の代表者は私の大学時代の先輩なのでこちらも確実に存在している教室です。


Sword Academy Japan

ソードアカデミージャパンさんでは、中世~近代までの(演劇に登場する)剣術を学術的に学ぶことができます。詳細についてこちらもリンクを貼っておきますが、ソードアカデミージャパンの講師は私なので直接私にお問い合わせいただいても結構です。

芸術系となると、演劇関係の組織であったり、学校であったりしますので、必ずその組織に入るための手続きが必要になります。芸術分野の西洋剣術を一般の方向けに開放しているのはSword Academy Japanだけです。


無料で習えるところはある?

「まずは無料体験でお試ししたい」という方もいらっしゃると思いますが、2021年現在、無料で習える教室はありません。



サポートいただいた金額は研究費や渡航費にあてさせていただきます。これからも応援よろしくお願いいたします。