眩暈
11月はめまぐるしく走り去り、今年のカレンダーは頼りなく痩せ細ってしまったが、街はクリスマスムードに溢れかえっていてなんとなく心踊る。12月の南半球は、みんな軽やかな装いだからか根っから日本人の私からすると少し足りなさも感じる。
左指先の、少し分厚くなってた皮がいつのまにか剥けてつるつるになっていた。エレキギターの弦を掻きむしっているときはまるで青春のど真ん中にいるような気がして気持ちいいんだよなあ。
ところで2週間前、簡単な会話程度余裕でこなせるだろうと見得を切って出航したのだが(今考えれば過剰も過剰)見栄を張ってひとりで街へ繰り出した後にこの自信は砂場の城のようにサラサラと崩れ果てた。
ネイティブの発音疾風の如き。
……しかしながら英語を話す悦びが日々満載なのは確かである。
絶望しては立ち直り学んではまた打ちのめされる私の日々はカラフルに扮し、目まぐるしく過ぎ去る。
まるで起き上がり子法師の中にいるようで目が回るのだが、これがまたクセになる感覚なのだ……
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