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ミュージカル『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』感想 兵庫公演2024年4月12日(金)、13時公演、4月14日(日)12時公演(大千秋楽)

【はじめに】

 大千秋楽公演を見て、その後の配信も見まくって、配信も終わって燃え尽きていました。ミュージカルジョジョの形に、心に穴が開いていました。
 ・・・いわゆるロスと言うやつです。ボーっとして、そのうち記憶を失ってしまいそうなので、忘れる前に感想を書いておこうと思います。
 ちなみに、今回は『全編褒めまくり』です。(演出面とかの文句は帝劇感想の時に書いていますんで)鋭い考察とかは全然ありません。
 

【総評】

 帝劇、北海道公演を経て、兵庫公演は、舞台全体にまとまりが出ていました。帝劇の時は、トラブルがあったせいで、物凄い緊張感が溢れていた様に思いましたが、兵庫公演では、キャストも観客も随分とリラックスしていた様に思います。
 アドリブも結構あって、拍手や笑いも起き、よく盛り上がっていました。
 

【大千秋楽】

 大千秋楽と言うものを見たのは初めてだったのですが、何とも言えない独特の雰囲気があって、良いものだと思いました。プリンシパルキャストさんの、涙涙の挨拶もとても良かったです。
 別所哲也さんの挨拶で知ったのですが、このミュージカルは、脚本は5年
前から準備され、17回(実際は20回以上らしい)書き直しされていたとか。うーん、すごい、凄すぎる。

 そして、大千秋楽、かつ、配信公演でもあったのに、牢屋シーンアドリブで、う〇こしてしまうコング桑田ダリオさん・・・すごい。

【劇場について】

 芸文劇場は初めてでしたが、木目調の床と壁が素敵で、新しく綺麗な劇場でした。音響も良く、アンサンブルさんの歌声とか、スピードワゴンのラップ等がクリアに聞こえてきました。

【音楽について】

 配信で散々聞いて、しみじみ思いましたが、ジョジョミュは音楽が良いです。もちろん個人の好みもあると思いますが、私は本当に魂を奪われました。どの曲も好きです。音源が欲しいと心から思います。
 

【演技全般について】

 アンサンブルの皆さん一人ひとりに至るまで、「大事な台詞は客席に向かってはっきり言う」などの「大きな劇場向け演技」がしっかり出来ていました。ミュージカル初出演の人もいた今作ですが、「うわ、台詞やべえ」と言う人はいませんでした。
 おかげで、ジョジョの独特の世界にスッと入って行く事が出来ました。
 

【個別キャストさん】


ジョナサン・ジョースター
(松下優也/有澤樟太郎)

 〇松下ジョナサン…帝劇の時よりも、めちゃくちゃ高音が出てました。「え!」と驚く様な凄い声が、劇場に響きまくってました。
 宮野ディオの高音が不調だったため、良いバランスになっていたと思います。高音のジョナサン、低音のディオと言う感じで。
 
〇有澤ジョナサン…色々な所で言われていますが、この人は存在が本当にジョナサン。天性の圧倒的な光属性を感じました。大熱演で、楽では衣装の膝が破れ、襟元ははだけていました。ジョジョミュ後に、日本初演ミュージカルの主演が発表されましたが、さもありなんと言う感じ。納得です。
 
 
ディオ・ブランドー(宮野真守)
 兵庫公演では、高音がかすれており、出辛そうになっていました。地声歌唱と、キーを下げた歌唱、歌詞の一部を台詞に変える、顔で歌う(?)等で、対応されていましたので、初見の人なら全然気付かないと思います。
 高音がしんどい分、低音にドスを利かせて、魔人度が増したディオでした。演技の緩急の上手さは相変わらず素晴らしいです。
 いずれにしても、ジョジョミュ初演の成功は、間違いなく、宮野さんの熱演の貢献が大だと思います。
  しかし、再演するなら、ディオはWキャストにして、宮野さんの負担を減らすべきでしょうね。誰がWキャストでも、どうしても、比べられて見劣りするでしょうから、やりにくいでしょうけど。
 
 
スピードワゴン(YOUNG DAIS)
 この方のスピードワゴンさん、最初は少し違和感があったのですが、見れば見るほど好きになって行きました。ラップも大好きです。(どうにも聞き取りにくい所もありましたが、これはもう、私の年齢の問題でしょう)
 スピードワゴンが覚醒する「明日って今さ」のシーンでは、手に汗握り、「がんばれ!」と心から応援したくなりましたよ。
 もし、2部がミュージカル化したら、YOUNG DAISさんに続演して頂きたいと思います。「老人皮膚」を被っていても、いなくてもどっちでも良いですから。
 
◆ウィル・A・ツェペリ(廣瀬友祐)
 やっとこさ、廣瀬さんツェペリを見れました。あんなに「遊び」を入れていたとは!台詞の抑揚とか、変な動きとかで、随時笑いを取っていて、イケメンなのに変なおじさん。面白いツェペリでした。歌も台詞も上手で、最高。
 実は、実際に上演される前は、東山さんの方がアドリブとか入れて、廣瀬さんはカチっと演じられるのかな、と思っていました。実際には真逆でした。分からないものです。(どっちのツェペリさんも大好きです)
 
◆ワンチェン(島田淳平)
 ジョジョミュ広報部門功労賞だと思います。SNSで、まめに、ファンが喜ぶ投稿をして下さっており、とても楽しませて頂きました。すっかりワンチェンが好きになり、アクスタを買ってしまいました。人生で初めて買ったアクスタがワンチェンとは。人生は分からないものです。
 2幕冒頭の人間離れした動きの踊りには、毎回度肝を抜かれました。時々宙に浮いていましたよね。
 
 

【終わりに】

 ここまでハマるとは予想外でしたが、本当に楽しませてもらう事が出来ました。終わってしまうのが寂しいです。ジョジョって本当に素晴らしい。ミュージカルになっても素晴らしい。

 再演!2部上演!
 どちらでも良いからお願いします。ジョジョミュ型に空いた心の穴は、ジョジョミュでしか埋められないのですよ。
 


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