トイレの個室から現れたのは…
みなさん、おはようございます。
kindle作家のTAKAYUKIでございます☆彡
「嗚呼…何か楽しいことはないだろうか…」
僕が常に考えているテーマです。
朝起きてから寝るまでの間に、1個でもいいので楽しいこと・面白いことがあればいいなって、そう思って生きています。
そのためには常にアンテナを張っておくことです。
周囲を確認しながら、キョロキョロするのです。
あまりキョロキョロし過ぎると、通報される恐れがあるのでその辺の加減は必要になってきます。
例えば昨日ですが、15時ごろ男子トイレに入ったんです。2個ある個室のうち、手前の個室の鍵マークが赤色だったので、僕は静かに放尿しました。
放屁もしたかったけど、我慢しました。
両手を洗い、アルコールスプレーを塗ってからトイレを出ました。
所定の席に座った僕は、何気なく事務所内を見渡しました。
あれっ?
もう一度僕は、しっかりと事務所内を見渡しました。
僕以外の男性社員6人が、自分の席で仕事をしているではありませんか。
「ええッ…怖いんですけど………」
僕は勇気を出して席を立つと、みんなに呼びかけました。
「仕事中に申し訳ない。男子トイレの個室に鍵がかかっている。だけど男性陣たちはみなここにいる。ってことは、不法侵入者の疑い有りだ。皆の者、出陣せよ!」
すると僕の後ろに男性社員1名、女性社員3名が付いてきた。何で女性社員の方が多いのか不思議たけど、人数が多いことに越した事は無い。
ここは4階にある事務所。確かに事務所のドアは常にopenしている。だって1階にオートロック機能が付いているのだから。オートロック式のマンションと同様、1階からインターフォンを押し、こちらが開錠しないと立ち入ることができないのである。
僕は個室の前に立った。
「用を足しているところ申し訳ないが、君はどこからこの個室に入ったんだ? もしかして3階に事務所を構える、蛸烏賊商事の社員なのか?」
僕の呼びかけはスルーされた。
だけど、用を足している割には個室から音や臭いがしない。基本的に個室の窓は15~30度の角度で開けてあるけど、それにしても静かすぎる。
再び僕は問いかける。
「もう全部出たかな? 悪いが突入させてもらうよ。勘違いしないでくれ。僕は誓って丸腰だからネ!」
ここで女性3人が前衛に。針金を使って鍵マークをいじり出した。
およそ1分後。
「やった☆彡」
女性社員の歓喜の声が発せられた。
再び前衛を交代。
「機は熟した。開けるぞ。いいね? オープン!」
僕は個室のドアを静かに押した。
ドアが奥に向かって移動していく………。
便器が見えたけど、誰も座っていない。
その時だった。
「にゃっ」
なんと突然、野良猫が鳴くと同時に、僕たちに突っ込んできたのだ。
「うわわッ」
僕たち6名、全員が床に尻をついてしまったのである。
「ふははははははっ」
男性社員の笑い声を筆頭に、全員が笑い声を上げた。
僕も腹の底から笑い声を上げた。
何らかの拍子で個室に鍵がかかってしまったと、みんなそう思っていたはず。だけど僕は一応、個室に人が入っている体で芝居を進行した。
案の定、開錠できたのであとは個室のドアをオープンして、「誰もいませんでした。ちゃんちゃん」と終わりになるはずだったのに、まさか野良猫が飛び出してくるとは、誰が予想できたであろうか。
「ってか、窓ガラスがいつもより開いてネ?」
男性社員の一言で、僕も個室の窓ガラスを見た。
確かにいつもは15~30度しか開けていないはずなのに、なんと、90度も開いているではないか。
「ごめんなさい。私が掃除中に開けて閉め忘れたんだと思います」
女性社員の告白で、全員が得心した。
だけどまさか、野良猫が4階の高さまで登ってくるとは驚いた。
「可愛いんだけどぅ」
「毛並みがフサフサしてる」
「飼っていいのかなあ」
事務所内から、女性社員たちの声が聞こえてきました。
僕たちは立ち上がると、自分たちのデスクに戻って行きました。
なんて嘘のようで、本当の出来事が発生しました。
これも日頃から楽しいこと・面白いことを模索している中で発生した、『珍事』であったと思います。
これを機にわずかですけど、事務所内の雰囲気が良くなりました。
野良猫はちゃんと下界に戻しましたので、ご安心ください。
本日も最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。
事務所の掃除は13時~13時15分で行っております☆彡
【了】
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