教員の学ぶ力とは?(1)
教師という仕事の特性上、生涯にわたって学び続けることが求められている。文部科学省は、「令和の日本型学校教育」を担う教師の学び (新たな姿の構想)として、以下のように説明している。
https://www.mext.go.jp/content/20210708-mxt_kyoikujinzai02-000016721_13.pdf
そもそも、免許更新を前提としない、教員の資質・能力向上を目指した「10年経験者研修」(悉皆研修)が、安倍政権の「教育再生会議」により、不適格教員の排除を目的とした「教員免許更新制」へと、形を変え実施された。
その際、文部科学省は、教員免許更新制の導入による教員の大量解雇を阻止すべく、「10年経験者研修」の内容を「教員免許更新講習」へと焼き直すことで、ソフトランディングを図った。
この制度改正により、幼・小・中・高で教鞭をとるすべての教員が、10年ごとに、30時間の集中講義と、免許更新手続きが課されることになった。
その結果、教員の免許手続きを管理する学校現場の教頭・副校長らの学校管理職と、教員資格の確認と任用と配置を担当する都道府県教育委員会が、不毛な作業を抱え込むことになった。
教育関係者以外の皆さん、想像してみてください。5年に一度の運転免許証の更新でさえ、ほとんど無意味と思われるような講習をうけるために、半日休んで、免許センター等へ行かなければならないことを。それが、半日ではなく、1週間(約5日間)拘束されてしまいます。しかも、内容は自動車免許の更新と同じように、「トホホ・・・」。
※本来の目的は、個々人の生存と所在の確認と顔写真の収集ではないかと思われることも・・・。
しかも、これらの費用は税金ではなく、各教員の個人負担とされました。自動車免許の更新費用が、自己負担だというのと同じ理由です。
この大騒ぎを横目に見た、医師、看護師、薬剤師等の医療資格関係者団体は、「このような醜悪な免許更新制度が、医療界へ波及することがあってはならないと」と、自民党の各国会議員に猛モーアピールし、免許更新制議論は立ち消えとなりました。医師、看護師、薬剤師など出身の政治家が、政務3役を務める厚生労働省と教員出身の政治家サポーターがいない文部科学省との大きな違いとなってしまった。
でも、よく考えてみてください。仕事の内容に応じて、最新の知識を更新する必要性が高いのは、教員と医師(等の医療従事者)とのどちらでしょうか?
さて、安倍首相の側近として、教員免許更新制の導入等の「このような教育再生」を強力に推し進める際に、文部科学省と官邸さどとの仲介役として重要な役割を演じたのが、衆議院議員 萩生田 光一(はぎうだ こういち)氏です。
https://www.jimin.jp/member/102104.html
※なお、教員免許更新制度は、令和3年度末をもっと、廃止されました。
教員免許更新制度、教育基本法の改定、コロナウイルス感染症による全国一斉休業など、安倍政権下での教育制度は、度々改定され、その度に現場は混乱しました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?