忘れられないある日のおじいちゃん

ある日のことです。祖父母が大好きな私は、田舎のおじいちゃん家によく遊びに行っていました。
おじいちゃんは、ユーモアがたっぷりで人を楽しませるのが大好きな人でした。その日もおじいちゃんは掃除をしていて「こんな、ほこりほど金がたまったらええのになぁ…」とか私がお土産に持っていったおまんじゅうの箱の裏の会社名を見て
「ここの会社、ぎょうさん儲けてはるんやろうな」などお金の話ばかりをしていました。
それを聞いていたおばあちゃんが「あんたは金の話ばっかりするなぁ(笑)」と言って私も笑っていたのですが、その日の夕方頃です。昼寝をしていたおじいちゃんが突然布団から ”ガバっ”と起き上がり「ぼちぼち帰るわ〜」と言いました。
私とおばあちゃんはビックリして「おじいちゃん
ここ家やで」と言いました。するとおじいちゃんは「そうか、ここ家か。おじいちゃんなぁ、自分が今どこにいるか時々わからへんことがあるねん」と真面目な顔でつぶやきました。その時は、「またまた、おじいちゃん、とぼけたこと言って、笑わそうとしているな」と私は思っていましたが、後で、その時おじいちゃんが認知症になっていた事に気がついたときには、大泣きをししてしまいました。こんな悲しい出来事はありませんでした。その、おじいちゃんが最後に私に言い残してくれた言葉が「人生最後は金やぞ」です(笑)



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