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死刑にいたる病

今日は初めて自分の推し本を紹介しますᕦ⁠(⁠ò⁠_⁠ó⁠ˇ⁠)⁠ᕤ
全て敬称を略しています。

  • 概要

  • 内容

  • 鳳仙花の感想

  • 響いたセリフ


概要

著者   櫛木理宇
2017年10月25日発行
2022年5月6日映画化
[Cast]
榛村大和役  阿部サダヲ
筧井雅也役  岡田健史(当時のお名前です)
金山一輝役  岩田剛典
加納灯里役  宮崎優
筧井和夫役  鈴木卓彌
筧井衿子役  中山美穂
監督              白石和彌
脚本               高田亮
音楽               大間々昂
                                          etc

内容

劣等感を抱えながら日々を過ごす大学生の筧井雅也に、ある一通の手紙が届く。手紙の送り主は、世間を大きく揺るがした史上最悪の連続殺人鬼・榛村大和からだった。手紙には9件目の事件の冤罪証明をしてほしいとのこと。榛村は20人以上の小学生をターゲットとし、残虐な拷問の末に殺害したシリアルキラー。しかし、9件目の事件はやっていないと主張する。筧井は榛村の冤罪証明をするべく奔走するが、事件を核心に迫るごとに浮かび上がるそれぞれの過去。他人事では済まされない真実にどう向き合うのか。
筧井は何を選び、向き合うのか。
話題のサスペンスホラー小説。

鳳仙花の感想


かなり衝撃的な作品でした。
特に実在するシリアルキラーを交えつつ、榛村大和の人物像に迫る描写が堪らなく痺れました。
そして、着々と事件の真相に迫る筧井の姿の変化に驚きました。筧井は冒頭部分はかなり捻くれた思考の持ち主でした。過去の栄光に縋りながらも、同じ大学生である加納を軽蔑したり、今の大学生の姿にため息をついたり。お世辞にもいい人とは説明できないくらいです。しかし、榛村と再会し事件について調べていく内にまるで自分が榛村になっているかの様な錯覚に陥ります。榛村は田舎でパン屋を営んでいました。近所の人からも信頼され、「まさか、あの人が」と言われるほど温厚で心優しい人でした。

「みんなそうだ。すこしずつ彼に似てくる。影響されるんだ。口癖も、仕草も、目つきまでもだ。ぼくもそうだった。あの頃のぼくは、本気で『彼になりたい』と願っていた」   ー本作引用309ページ     7行目〜

これは9件目の事件の鍵を握る金山が筧井に放った言葉です。実際に彼は、まるで榛村が自分に憑依しているとしか言いようがない行動や表情に変わっていたのです。見知らぬ酔っ払いの人の対応をしたり、自分に自信があるかのように振る舞っていました。
また、核心に迫るごとに浮かび上がる自分の過去、家では父親の言いなりで能面のような母親の過去。
榛村大和の過去。
人と人の残酷な過去が絡み合い、結ばれ、また絡まり合い、そして結ばれる。
そんな作品です。

響いたセリフ

榛村大和ー本作346ページ6行目〜
「他人を引きこむには、あれが一番楽で手っ取り早いんだ。人間はみんな、恵まれない子供のために涙するのが大好きだからね。おまけにぼく自身はなにをせずとも、まわりの人間が勝手にべらべらしゃべってくれるときてる」


またね(⁠ノ⁠◕⁠ヮ⁠◕⁠)⁠ノ⁠*⁠.⁠✧

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