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MHAという選択肢〜九大SPHに進学してみて〜

この記事は九州大学医療管理・経営学専攻22期 Advent Calendar 2022 2日目の記事です。

皆さんはじめまして。22期生(現在M1)の松岡佳孝です。
普段は済生会熊本病院 - 地域医療連携室長一般社団法人 病院マーケティングサミットJAPAN - 医療マーケティングディレクターを務めております。
2022年4月に入学し,仕事と学業を並行しながら早くも8ヶ月が経過しました。
もう師走か……と思っていた矢先にホッコリするアドベントカレンダープロジェクトが発足😊
発起人で我らがリーダー、山口征啓さんの記事を皮切りにクリスマス🎄まで毎日同級生,関係者の記事を見ることができると思うと,ワクワクしています。

入学してみて〜実際どんな感じ?〜

さて,私の同期(22期)は総勢18名。
【内訳:医師6名,看護師3名(うちNP1名),保健師3名,理学療法士2名,作業療法士1名,薬剤師1名,医療関係企業社員1名,病院事務職1名】
医療職が多いのですが,行政機関,一般事業会社にお勤めの方もおられます。

皆さん個性豊かでとにかく優秀!やはり覚悟を決めて進学された方々との関わりは刺激的です。
MHAMaster of Health Administration,医療経営・管理学修士)コースというだけあって,講師陣,学生共に何らかの形で医療に携わっている方々が集まります。
メンバーの持ち合わせたスキル・専門知識が相互に補完されることで,効果的な学習に繋がる環境が整っており,私のように医療の専門知識に乏しい人間でもなんとかついていくことができています(同期の皆さんには頼りっぱなしです笑)。
「大学院」というと,自分自身でひたすら研究する場所をイメージする方も多いと思うのですが,九大SPHの場合,M1は座学を中心としたカリキュラムが組まれています。これにより最新の医療政策・財政・経済の動向,経営管理手法の講義から,医療統計・分析学,疫学,医療安全学,コミュニケーション学に至るまで,広範に学ぶことができます。
前期終了後にはゼミ配属が決まり,(私が所属する福田治久准教授のゼミでは)英語論文の輪読会から個々の研究方針相談,データベース研究の勉強会など,ゼミや面談を通じた担当教官による指導が始まります。
通常の講義はオンラインが中心ですが,ZOOMのブレイクアウトルーム機能(3-4名の小グループに分けられます)が多用され,学生間でのグループワークや講師陣とのインタラクティブな議論の機会も多く設けられています。
これまで講義後,理解が不足する場合やグループワーク課題などに取り組む場合は,授業時間外に自主的な勉強会が開催されてきました。(各々の都合が許す範囲で参加する,ゆるい勉強会のようなイメージです)
こういった授業時間外の関わりもあるため,オンライン上でも比較的多くのコミュニケーションをとることができています。
正直入学前は「オンラインだと関係性が築けないんじゃ…社会人大学院に行く意味があるかな…」と心配していたのですが,その心配は不要だったなぁと思っています。
今年度,後期の集中講義は対面形式がメインとなっているのですが,その際に行われる懇親会は毎回盛況です。既に同期愛が溢れています(笑)

なぜMHAを目指したか〜MBA?MHA?〜

私はもともと企業のブランディング・マーケティングに関心が高く,就職活動は広告代理店やメディア関係を対象としており,医療業界への就職は全く考えておりませんでした。しかし大学時代のゼミで済生会熊本病院の経営ケーススタディがあり,「なんか面白そう」と思い採用試験を受けてみたところ,いつのまにか入職が決まっており,何の崇高な志もないまま医療業界に飛び込んでしまったという状況です。(こんな言い方をすると怒られそうですが笑)
そのケーススタディを実施した私の恩師は,電通で約30年間の実務経験を経た上でMBAMaster of Business Administration,経営学修士)コースに進学し,学問と実務を繋ぐ面白さをいつも私達に説いておりました。ですので,私もある程度の実務経験を積んだらMBAに行こう!と考えておりました。
当院入職後,現事務長(田﨑年晃)が九大SPH出身のMPHMaster of Public Health,公衆衛生学修士)※であること,MBA以外の選択肢があることを知り,どちらに進むべきかを相談しながら過ごしておりました。
※九大SPHの学位は2018年度よりMPHからMHAへ変更されています。

いざ医療業界に身を置くと,徐々に医療職のプロ意識と熱量に圧倒されることになります。連携先の経営層,上司である医師,同部門の看護師はじめ,各職種が専門知識と技能習得を追求し,高い倫理観で患者さんの為に仕事に取り組む姿勢に心を打たれ,次第に「この人達の事,医療の本質を理解しなければ医療経営など考えられない(考えてはいけない)」と思うようになったのです。また社会保障という広範な分野と制度設計を”正しく理解したい”という思いも強くなっておりました。
数年来迷っていた思いが固まったのが2021年の2月頃。
事務長の田﨑へ「九大SPHへ進学したい」と伝えたところ,”頑張って来い”と背中押していただき,前期試験(8月)を受験した,というのが進学までの道のりです。
入学して8ヶ月,座学によるインプットとレポート等によるアウトプットで鍛えられ,医療への理解が深まっている実感を得ることができているのと同時に,自分自身がこれから取り組むべき課題に対する解像度が,徐々に上がってきています。

学生生活と仕事の両立

学生生活については,これまで通り仕事を続けながら学業と両立している方,社会人としてのキャリアに一区切りをつけて学業に専念している方と,様々です。

私の場合,職場に大学院進学支援制度があり,『勤務調整(不在とする勤務時間分を出勤可能な休日・時間外に勤務して振替える仕組み)』という形で有給休暇を消化せずに仕事と学業を両立しています。

とはいえM1の間は比較的授業が多く(但し毎週火曜日・木曜日に集中),前期(4月〜7月)と後期(10月〜1月)は週に1-2日,不在とする事になります。
上司・同僚,そして家族の多大なサポートとご理解があって進学できている状況ですので,本当に感謝しなければならないと思っています。
もちろん講義(インプット)だけで知識やスキルは身につきませんので,仕事の合間を縫った自己学習,各種アウトプットに割く時間も必要です。負担が少ないとはいえません。
しかしその分,卒業された先輩方を見ても,進学して得られる人脈や知見,卒後職場に還元できるものは非常に大きいと感じています。
もし入学を検討しているものの職場に前例がないため不安,という方がおられましたら,ご遠慮無くご相談ください😊


おわりに

これは完全に私見ですが,今後の不確実な環境変化に適応した医療経営に関心の高い医療職は勿論,私のような専門職でない医療関係者(行政・企業含め)に関しても,MHAとの相性は良いと考えます。
私自身,入学以降の経験から,MBAではなくMHAを選択してよかったと強く思っています。それほど”自分が医療について何も知らない”事が実感できているからです。
MHAコースで得られる知見と経験は,医療職・経営層との共通言語となります。そして高度な自施設の経営戦略,或いは公衆衛生に資する研究・実践を担うことのできる基礎を培うことができるでしょう。
九州大学大学院 医療系学府 医療経営・管理学専攻には,医療の本質を追求する魅力的な教師陣,カリキュラム,そして優秀な仲間が揃っています。ぜひ私達と一緒に勉強しましょう😆





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