アメジストの行き先は。
1カ月程前からエアプランツが我が家に居る。
DAISOで買ったチランジア(おそらくムーンライトかな?)と、お気に入りのお店で買ったカプトメデューサ。
どうしても吊るしたくて、ワイヤーで小さなカゴを作ってそれらを彼らの住処にした。
麻紐を三つ編みにしてみたら安定感が出た。
風が吹くとゆらゆら揺れる。
せっかくならと思い、以前海で拾った穴の空いた貝殻をカゴにつけてみた。
サンキャッチャーみたいにできたらなぁ。
シャンデリアのパーツとか細かいカットの入ったガラスのチャームとかをつけたら素敵かもしれない。
そんな考えが頭をよぎった。
けれど、できることなら家にあるもので作りたい。
ごそごそと机の中をあさっていたら、それは出てきた。
「それ」とは。
正体は、アメジストのペンダント。
このネックレスがどのように私の元にやってきたのかは、今でも記憶がある。
私が小学1年生の頃。
母と一緒に行った大型のお店で買ってもらったネックレスだ。
どんなお店だったかはよく覚えていないが、スーパーの入っている複合施設のような所だった気がする。
その中の一箇所に「〇〇円均一」のような形でご婦人向けのアクセサリーが売っていたのだ。
私はこの頃よりもずっと前から、石や貴金属が大好きな子どもだった。
そこをジッと見ていたら、母が「1つ好きなのを買ってあげる。」と言ってくれたのだ。
幼いながらに驚いたし嬉しかったのをよく覚えている。
(おそらく、私は毎回そこを訪れる度に眺めていたのかもしれない。何度も何度もそうするから、母はそう言ってくれたのだろう。)
ここまで書くと、それがアメジストのネックレスだと思うだろう。
けれど、私がいいなと思いながらジッと見ていたのは実はそれではなかったのだ。
なんと、ルーペのついたネックレスだった。
そのルーペの部分はフクロウのような鳥がフレームとなっていて、それがチェーンに通されてネックレスになっている。
何となく見たことがある方も多いのではないのだろうか。
ずっとずっと憧れていた。
種類もいくつかあってその中でもお気に入りのものがあった気がする。
母からのGOサインに心が踊った。
それなのに。
このカットの綺麗なアメジストのネックレスが突如私の心の中に入ってきてしまったのだ。
先述した通り、石も大好きな子どもだったのだ。
それはもう、一生懸命に悩んだ。
せっかくのチャンス。ずっと欲しかったルーペがいいのではないか。
いやいや、柔らかい紫色のカットの綺麗なアメジストの方がいいのではないか。
母にもどちらかで迷っている旨を伝えたものの、好きな方にしなさいとのこと。
結局、小学1年生の私が出した答えは、アメジストのネックレスだった。
決め手が何かとかは覚えていない。
けれど。ずっと憧れていたルーペのネックレスという存在、母の言葉が嬉しかったこと、どちらを買うかですごく悩んだことは鮮明に記憶に残っている。
もちろん、学校には着けていけないから家にいる時に時折出しては着けて一人で喜んでいた。
アメジストを選んだ決断は正しかった。今でもそう思う。
その思い出のネックレスは、大人になった今でもなかなか使われずに机の引き出しの中に眠っていた。
しかし、せっかくこんなに綺麗なのだ。
身につけないとしてもどこかに飾った方がいい。
そんな想いとカゴを装飾したいという気持ちが上手く合致して、このアメジストの行き先が決まった。
またネックレスに戻るかもしれないし、別の所に行くかもしれない。
けれど、しばらくはこの状態を楽しもうと思う。