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第六章 出仕

1005年 紫式部は
一条天皇の中宮彰子様の下で仕えるようになります。
藤原道長夫婦からのたっての希望とのこと。
理由は、帝がもっと自分たちの娘(彰子様)に関心を持ってもらうよう、後宮を面白いものにしたかったため、源氏物語が話題になっていた紫式部に白羽の矢が当たった。

女房とは、内裏や貴族の邸宅の一角に「局」を与えられ、住み込みで働く、
料理や洗濯などの下働きはしないが、家庭教師として和歌などを教えたり、何らかのイベントがあったらば、会場を整えたり、連絡係をしたり………と言う仕事だったようです。

紫式部はこの女房と言う仕事を始めは蔑んでいたようです。
と言うのは、自分は「里の女」として、女房を雇っていた立場だったのが、それが一転
雇われる側に回ってしまったのが歯がゆいらしかった。

それに女房と言うのはザックりいって「品がない」と………
その家の主の出世のことやその家のプライベートの事まで知り得る立場になってしまうので、口うるさく
噂好きの女房は多かった。
いろんな人と仕事上で交渉するため、よくも悪くも世間ズレしてしまう………

紫式部はお嬢様奥様として「里の女」でいたかったらしいが、夫にも先立たれ、小さな女の子がいるシングルマザーの身
宮仕えをするしか道がなかったのでしょう。

紫式部自身も「里の女」として生きてきたので、宮仕えする女房としての心構えがわからなかったし、教えてくれる人もいなかった、
だが、自分なりに周りの同僚とうまくやっていく心得を持つようになります

仲良くなった同僚もできました。小少将の君です。
この方は、道長の妻の倫子様(大河ドラマでは、黒木華さんが演じています。)の
いとこにあたる方
それなりの地位を務めていた
お父様が亡くなり、実家が没落、そして今はいとこの倫子様に雇われる身………

紫式部は、自分の境遇と似通うため、この小少将の君と心が通じ合うようになったのでしょうね。

この小少将の君は源氏物語では、女三宮のモデルだとのこと

それにしても「女房」と言う立場は、中小企業に勤める
私のような女子社員のようではないか?

聞きたくなくても、社長のプライベートなことも耳に入ってくるし………

以前の職場では、まさにそうで、口うるさい噂好きの女房(同僚)はいました。

私も女性が多い職場で働いたことがあるので、紫式部のこうした苦悩はよくわかります。

私も紫式部同様
職場での働く心構え、始めはよくできてなかったので、戸惑いや職場での人間関係の煩わしさがありました。
それなりに私も年を取って参りましたので、受け流す術を身に付けました。

偉大な紫式部………
と思っていたので、ちょっとだけ自分と人間的に近いものを感じてほっとしました。

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