スノードロップ

スノードロップのことを書くはずで、書きそびれて一ヶ月以上経過した。
写真に収めるくらいならこの儚さを文章に残そう、そう思って開花した写真を撮るのも我慢したというのに書かずに終わるところであったが、訳あって思い出す機会があったので手短に記録しておく。

噂のとおり、春を告げるというか、1番に咲く球根というのは本当だった。秋に鉢植えに植えてから、いつものようにテキトーな世話しかしていないのに、2月の連休ぐらい、これから春に近づいていくのかもしれないというあたりに開花した。それは感動した。噂のとおり首を傾げるように俯いた白い花は、まさに写真のとおりのスノードロップだった。しかもサボテンみたいに朝と晩で花が開いたり閉じたりするのだ!

しかし今年の3月は寒い。2月のあんな時期に春を告げられても、最近まで告げられたことを忘れていたくらいである。それがなぜ今さら思い出したかというと、最近、馴染みのフラワーショップで、スノードロップそっくりの咲き方をしている山野草のスミレが売られていたためである。さすがスミレだけあって、小さなポットの中で惜しげもなく何輪も花開いていた。一球に一輪しか咲かなかったスノードロップ、適当に育てたとはいえあの労力は何だったのか。

しかし、そういう徒労こそ、ベランダーの醍醐味ではないだろうか…と自分に言い聞かせながら、ちゃっかりスミレを買って帰り、すでにスミレに心変わりしているのである。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?