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地下鉄の中
週末の最終電車
酒臭い車内
人の数に驚く
今週と言う時間を 過ごしてきた人
今日と言う一日を 生きてきた人
未来と言う明日に 生きようとする人
そんな人たちから目を逸らす
窓の外は真っ黒で 無機質な景色
窓ガラスに映る自分の顔
母の顔に似ていると はじめて思う
親孝行する前に亡くなった母の顔
疲れ果てた体 疲れきった心
それでも
今週を過ごし 今日を生き 明日に生きようと 
時間の海を泳いできた
大丈夫 目を逸らす必要はない
窓ガラスに映る母が 背中を叩いてくれた
窓の向こうは相変わらず真っ黒なまんま
車内の人たちも きっと
誰かが背中を叩いてくれているのだろう
窓ガラスに映る誰かに


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