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アナログシンセサイザーだよ~ん

こんにちは南仙台の父です。
今回はかなり(相当)マニアックな話題になりました。
シンセサイザーについての話です。
シンセサイザーというと、周波数変調方式と呼ばれる技術です。
スマホの通信にも使われている技術なんですけど、一般的にはシンセサ
イザーといえば、写真のようなものを想像する方々も多いと思います。
また、オーディオなどでも使われる技術だったりするので、人によって
は思い浮かべるものは違ったものになるかもしれません。
今回はその中でも今主流となっているデジタル・デジタル方式のシンセ
サイザー(以下、面倒なのでシンセ)ではなく、アナログ・アナログの
シンセについての話です。
もう骨董品にすらなっている物なので、中古楽器店の奥の方とか、ハード
〇フといったセカンドハンド品の取り扱い店でしか見ることができない
物です。
写真はその中でもかなり原始的な一品で、RolandのSH-2というシンセです。
実は私が最初に買ったシンセです。
(有名ホストのRolandじゃありませんよ。)
1981年にバイト代で購入した機材で、その時の価格が10万円弱ですから、
今の価格感でいえば数十万円程度の物に相当します。
ビジネスで使えば立派な固定資産になっちゃうような代物です。
今回はこれについて熱く語ろうとしているわけではありません。
SH-2をはじめとする、1970年代から80年代初頭にかけてのシンセについて
の話です。

1980年代の初頭は私がまだ大学に通っていた頃の話です。
当時はやっと技術進化が商品化にもたらされた時期で、スタンフォード大学
が発明したデジタルアルゴリズム方式(YAMAHA DX-7とかで使われた技術)が実用化され始めた時期です。
その頃はまだ主流がアナログ方式だったのですが、アナログ・アナログとは
、アナログ音源でアナログ制御でのシンセという意味になります。
ちなみに、YAMAHA DX-7はデジタル音源でデジタル制御のシンセです。
今の時代はさすがにアナログ音源というものは使われませんが、アナログ制御の方は見かけることがあります。
実際には疑似アナログだったりもしますが、数値で入力せずにツマミを回し
てファジーに制御するやつです。
(※ 誰だ?、ファジーって死語だろって言った奴?)
実際にはツマミを回すと数値が表に見えない形でデジタルで可変するので、
こういう形になります。
(※ 誰だ?、ツマミって聞いてヨダレ垂らしてるのは?)
アナログ・アナログは音源もアナログで制御もアナログなので、それなりの
音に対する感じも独特な感じになり、その一方で扱いにくさはかなりの曲者
だったりします。
アナログ・アナログは減算方式と言って、VCO+VCF+VCAの基本セットを
ENV制御をして音を作り上げるものです。
減算というのはVCF、フィルターをかけて不要な周波数帯をカットして、音
の癖をつけるということから、そう呼ばれています。
(そこのあなた、今の聞いてなかったでしょ? 文系とか関係ありません。)
逆に、YAMAHA DX-7は加算方式と言われています。
こちらは波形の基となる正弦波を出すオシレーターを組み合わせて、アルゴ
リズムと呼ばれる箱の集合体を作り、これを足していって音の特徴を作るた
めにそう呼ばれておりました。
(そこのあなた、また聞いてなかったでしょ? 文系とか関係ねえから!)
アナログ・アナログシンセの場合はVCOに幾つかの波形がセットされていて
、正弦波や矩形波、鋸波といった波形を出力させます。
それをフィルターで加工して、オーディオアンプで出力するので、とんでも
ない現象が起きたりしておりました。

まずは、長時間に渡って電源を入れておき、放っておくとシンセが勝手に発振してしまうという現象がありました。
特にアンプを中心に熱を発生させる回路が多いので、一応シンセにも放熱の
構造はあっても、どんどん蓄熱してしまうことでシンセがアホになってしま
い、「ここは誰? 私は何処?」の状態になって明後日の方向に行っちゃう
現象です。
練習の時ならいいんですが、不幸にもこれがライブ中に起きちゃったりする
と大変なことになります。
一回、電源を落としてから熱さまししてあげないとダメです。
(誰だ? そんなの熱さまシートでいけんだろって言った奴?)
また、その上で始末が悪いのは電源を入れてからすぐには使えねえという悪
魔のような特性もアナログ・アナログシンセの特徴でした。
電源を入れてから、う~ん5分程度は安定せず、音程が狂ったりするので、じっと我慢しなければなりません。
そのため、ライブの時はリハーサルの後に電源を落として、出番の前の5分
前くらいにステージ裏へ行って電源を入れる、みたいなコソ泥のような行動
を必ず行う必要がありました。(怪しい)
今のシンセではこんなことは絶対に必要ありませんし、余計な気をつかう必
要などまったくありませんから、テクノロジーの進化というものはミュージ
シャンにとっても本当にありがたいばかりです。
また、この頃のシンセは基本的に1VCOが基本で、簡単に言えばモノフォニ
ック出力(1音しか出せねえ)が当たり前でした。
もちろん、prophet5、Poly moog、Roland Jupiter8とか、アナログポリフォニックシンセはありましたけど、こんなものは素人じゃ変えないような値段
でした。(車で言えば、免許取り立ての奴がフェラーリ買うような感じ)
素人が手を出せる範囲で買うことができるポリフォニックシンセは、KORG
のポリシックスまでありませんでした。
Roland SH-2はそんなアナログシンセの中で、VCOが2つあって更にサブオシ
レーターとして1オクターブ下の音を混ぜることができるというシンセだっ
たので、他のモノフォニックシンセよりも多少厚めの音が出せる特徴があり
ました。
ただ、色々と取り扱いが面倒な上に、自分ですべてのセッティングをしなけ
ればならないというシンセだったので、その後にデジタル・アナログ方式の
シンセやプリセット式のシンセ全盛の時代になると、こうしたシンセはあっ
という間に廃れていくのでした。(こういうのを栄枯盛衰といいます。)
ただ、これを使っていたことで良かったことも実はあります。
その後、社会人になってから無線通信業界で仕事をした時に、アナログシン
セの構造が携帯電話やスマホと原理的に同じだったことです。
そのため、回路図やブロック図を見てもどう構成されているか、技術屋でも
ないのにわかったのは若い時にアナログシンセと格闘したことが役立ってい
ました。(人生にムダなし!)

今回はそんなどうでもいいような話を少し熱めにしてしまいました。
(誰だ? 話が暑いって言った奴?)
今は面倒なのでアナログシンセを触る気にもなりませんが、テクノロジーの
進化によって、色々な影響を受けてきた電子楽器の歴史を如実に表している
のがシンセの歴史かもしれません。
私はアナログ以降はデジタル化によってデジタルシンセをメインに触ること
になっていくのですが、それは気が向いたらお話したいと思います。

えっ・・・、誰だ・・・、お前ギタリストじゃねえのかって言った奴。
そうですけど、私ギタリストでございます。
でも、昔は色々と訳あってギターとキーボードの両方を演ってました。
あっ、そうだ・・・、これこそ二刀流じゃないの・・・。
何だよ・・・、大谷翔平よりも40年も前に俺が二刀流だったってことか。
俺は・・・、元祖二刀流、大谷翔平の大先輩だったってことか。

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