行こうよ、almaのライブ

 ずっと昔、音楽はその場だけのものだった。それが録音技術が登場し、携帯プレイヤーが生まれ、通信による配信まで可能になったおかげで、今ではいつでもどこでも音楽を聴けるようになった。

 けれどもその一方で、音楽の”聴くためのもの”としての地位が危うくなっているような気がする。何も考えなくても勝手に耳から入ってくる、まるで空気のような存在。単なるBGMであって、決してその場の主役ではない存在。そうなっている面がないだろうか。

 そんな時代になっても、まだ音楽が主役の場所がある。ライブやコンサートだ。しかしアイドルのライブにおける主役が音楽であるかどうかは少々疑わしい。その後に行われる特典会の前座、あるいはフロアを盛り上げるための引き立て役になってはいないだろうか。

 もちろん、音楽が主役となったライブを行うアイドルもいる。almaもそのひとつだ。世間がコロナで騒がしかった頃に発足し、声出しが制限されていた事で逆にそのポテンシャルを示してきた。たとえ会場の片隅で聴いていたとしても、歌声が届くのであれば十二分に満足させてもらえると信じるに足るグループだ。

 これまでのalmaの道のりは順風満帆とは言い難い。6人で発足したものの、メンバーの卒業によって一時は3人となり、活動休止していた時期もある。新メンバーを迎えて活動再開したものの、そのうちの一人がすぐに辞めてしまった事もあった。それでもなおステージに上がり続ける道を選んでくれた5人が、私たちの見上げるその先にいる。

 歌が上手い、声が通る。それもある。でもそれだけではない。感情はどうしたって歌声に入り込む。夢や情熱、信念とともにステージに上がり続けるメンバーたちの歌声が私たちに届いた時、音楽を日常のBGMとして消費しているときには決して得られない体験が待っている。

 感情を正確に言葉にすることは恐らく不可能だ。そのため様々な人たちの様々な感情がぶつかり合っているライブ会場の空気を伝える事は出来ないし、そこで得られる体験も「良い」「悪い」といった、ある意味曖昧な表現しかできない。

 だから私には「良い」としか言えないし、それを本当に理解してもらうために実際にライブ会場へと足を運んでもらえたら、と願う事しかできない。


 さて、非常にわざとらしく宣伝を始めよう。まだ正式に発表されていないが、年内にalmaは1000 CLUBでライブを開催するはずだ。私はまだ行った事のない会場だが、きっと彼女たちの歌声を輝かせてくれる良い会場なのだろう。その日が来るのが楽しみでならない。

 そして1000 CLUBへ向けて行われる「ROAD TO 1000CLUB」と題したライブや結成四周年記念ライブ、他にも様々なライブの予定があるので、SNSの公式アカウントをチェックしていただければと思う。

 回りくどいことを言ってきたけど、私の伝えたいことはひとつ。それももう既にタイトルに書いてある。


行こうよ、almaのライブ。

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