影の人

今日もふざけたような快晴だ
「おーい、悠影おはよー」

「幸樹おはよ、久しぶりだな」

「いや、毎日会ってるだろ」
この気さくでありがたいやつは俺の幼馴染加藤幸樹
「そうだっけか、同じ風景見すぎてボケたかなー」

「高校生でボケって、なんかあったか?」

「いや、なんも」
やはり幸樹には影が見えてないらしい、どうしたものか。

決まった日常のはずだった
「おい光野、光野!」

「え、はい?」

「お前寝てただろ、気をつけろよ」

「あ、はい」
あろうことか寝てしまっていた


「悠影今日どうしたんだよ、授業中寝るなんて」

「最近寝れなくて」

「病院は?最近知ってるだろ、昼間に影が出てるって」

「幸樹には見えてないだろうけど、俺も影が出てる」

「なら病院行かなきゃダメだろ」

「でも今日何もなかったぞ、悪いけど家事しなきゃ行けないから先帰るわ」

「悠影!」

見えないし触れないものに医者が何ができるんだよ

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