53. 新鮮な違和感ある映画。そして秀逸な感想に圧巻された話。
こんにちは。
今日もこの記事をお読みいただきありがとうございます。
予めお断りをします。本日は読解に約22分必要です(前半はYouTube動画17分、後半は文面5分)。
でも、相応の気づきもあると思います。
できればお付き合頂くと嬉しいです。
仕事で縁あって、ここ岡山県出身、ロスで活躍中の
女優“安藤美亜”さんのサポートをさせて頂いてます。
社会問題をテーマにした短編映画を制作、出演されており、今年は私の勤める岡山・倉敷を舞台に初監督に挑戦されます。
前置きはこの辺で、主演代表作“submittan”のムービーをご覧ください!
https://youtu.be/jmG7b9SzX1I?si=FycsGIJBaJkEO2n5
「重たい雰囲気で沢山の問題を考えさせられる作品」
私は漠然とそう感じました。
正直、自分ではよく解らなかった。
そして、私より二周り以上年下のメンバーに解説をお願いしました。
すると、めちゃくちゃこの作品の深いメッセージを
繊細に読み解いて、伝えてくれました。
社会問題をこの短時間に凝縮して射抜く構成力、演技力、メッセージ性。
#隙間時間でこんな濃密なストーリー !凄すぎる!!
『この作品すごいわぁ!』と電車🚃の中で唸りました
そしてこの後輩の感性と言語化力、なによりサポート力に本当に感動しました!
こうやって、良い仕事、良い取組はバトンリレーで広がっていく( ˊ̱˂˃ˋ̱ )
ダブルの感動を伝えたくてシェアさせていただきます!
【submittan】
・ジャンル SF短編映画
・テーマ 社会問題(高齢化社会、人口爆発、
移民、貧困など)、家族
【ストーリー】
2035年、人口爆発が起こった都市「サブミッタン(submittan)」では、80歳以上の人間は人里離れた「山」に半ば強制的に移住させられる。
「山」は天国的な場所だと謳われながらも、実際に「山」には何があるのか、そこでは何が行われているのか、移住させられた人たちはどうなってしまうのか、知る人はほとんどいない。1つ確かなのは、一度「山」に行ってしまえば、もう二度と会えないということ。
アーティストととして生計を成す主人公のチェイス(安藤美亜)は移民であり、二児の母でもある。シングルマザーとして、移民として、2人の子どもを育てながら生活するには苦しい毎日を送っている。
ある時、市政が主催する【80歳以上の人間が自発的に「山」に移住したくなるようなキャンペーン広告の作成コンペ】に参加する。
チェイスは日本の『姥捨山』をモチーフに広告を作成し、「家族を餓死から守るために高齢者を山へ 献身する(=devotion)」という自己犠牲的且つ愛国心に溢れた広告宣伝ポスターを作り、採用となる。
チェイスは、自らが作成した広告宣伝によって、「山」への移住者は増えるかもしれないが、高齢者を「山」へ移住させることは、移住した人たちにとって何か悪影響が出るのではないか、と懐疑的に思っている(移住先では何が行われているのか不明であり、移住すると二度と会えなくなるため)。
しかし、家族の生活を守るためには、広告宣伝を作り採用してもらうことでしか、自分たちを守り、生き延びていく術はなかった。
【視聴者レビュー】
約20分間の短編物でしたが、至る所に社会問題が潜んでおり、考えさせられる作品でした。
木村監督の作品紹介を読みましたが、『普通の人間でも、もし状況が切迫していればどんな酷いことでも実行してしまう』という人間心理が十分に描かれているなと思いました。
加えて、監督は
『残酷な出来事を、被害者や悪者の視点ではなく、「傍観者」または「本心でなく加担した人々」の視点から描きたかった』とも言われており、
【悪いことかもしれないと分かっていながら、自分や家族が生きていくためには仕方がない】
と、善と悪の間で葛藤を重ねる人間のようすが伝わりました。
サンドイッチを作るシーンで、最初は細く切ったチーズのみが具材でしたが、コンペ採用後は具材がたっぷり入ったサンドイッチに変わっています。室内の灯りや洋服、子どもたちの表情もコンペ採用前後で大きく変わっており、『誰かを犠牲にしてでも自分たちは生きていく』というような資本主義社会の在り方もよく分かります。
この作品は、移民問題、貧困、人口爆発、高齢化社会など、私たちが今直面しているあらゆる社会問題をテーマにしていると思いました。
最後、チェイスが私たちをじっと見つめるシーンで終わりますが、背景にはサイレンの音が聞こえます。このサイレンは作品の始めにも流れています。
最初と最後が同じ、つまり物事は、「繰り返す」ということを言いたいのかなと、感じました。
作品の最後、2035年を生きるチェイスがグッと拳を握り、目で訴えているのは、現代に生きる私たちに何か言いたかったのではないかと、感じます。自分や家族たち、それ以降の子孫たちがこれから先の未来を生きていくためにも、私たちが抱える社会問題から目を背けてはいけないと、訴えられているように感じました。
年末頃に予定されている新作のカットオーバーが
とても楽しみです。
それでは、さよなら、さよなら、さよなら。
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