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今、片手取引が必要とされる理由


1. 不動産業界の仕組み ~片手取引と両手取引の違いとは?~


不動産取引の世界には、「片手取引」と「両手取引」という2つの取引方法が存在します。
片手取引:売り手と買い手がそれぞれ別の不動産会社を通じて取引を行います。
両手取引:一つの不動産会社が売り手と買い手の両方を担当します。

片手取引の場合は、売主側の不動産会社は売主から3%、買主側の不動産会社は買主から3%もらえますが、両手取引の場合は、不動産会社は双方から3%ずつ計6%の手数料をもらう事ができます。

2. 不動産業界の「囲い込み」問題とは?


1件の不動産取引につき、6%手数料をもらえるので、不動産会社は両手取引に躍起になります。ただ、売主から依頼を受けた不動産会社は、不動産流通機構(レインズ)といわれる場所に情報を掲載し、他業者からの案内を受け付けて広く買主を探さなくてはなりません。
しかし、故意に買主側不動産会社からの案内希望を断り、自社でのみ買主を見つける努力をします。これを「囲い込み」と言います。
囲い込みが一時問題になり、国土交通省の要請で2016年から不動産流通機構(レインズ)で取引状況のステータス管理を始めましたが、実際のところシステムは形骸化し、囲い込みは横行している状況です。

3. 「囲い込み」問題の解決方法はあるか


結論、両手取引を禁止にするしか「囲い込み」を止める方法はないと思います。
海外では両手取引自体を禁止している国が多く、囲い込みという概念自体がありません。
国の制度を変えるには、声を大きくして、民間から変えていくしかありません。
今はまだごく一部の会社しか導入しておりませんが、徐々に広まってはきております。世の中の認識が10%位になれば、確実に流れが変わります。

4. 片手取引にこだわる理由


これからは嘘が付けない、不正が隠せない時代になってきます。
ビッグモーターの不正問題など氷山の一角です。これから行き過ぎた資本主義による不正問題が続々と出てくるでしょう。
そして、本当の意味で世の中に必要とされる人、サービス、会社だけが生き残っていきます。ほとんどの仕事はAIに代替され、お金だけを目的とした仕事、自分の利益最優先の仕事は淘汰されていきます。
不動産業界も同じで、近い将来AIでの取引が可能になり、人がほとんど必要なくなっていく可能性があります。しかしその中で本当に顧客に寄り添えるエージェント、AIではできない付加価値を生み出せる人はその中でも生き残っていくのではないでしょうか。

特に今の10代、20代の方々は自他の区別が無くなっているように思えます。皆が喜ぶ事が自分の喜びで自分だけが楽しむことは意味が無い。なので、こういった考え方は世代が変わるにつれて浸透していく可能性が大いにあるということです。
もちろん、囲い込みだけが全てではありませんし、片手取引だけが全て正解かと言ったら、そうではありません。でも、ここが変われば一気に業界の不透明な体質が一気に変わっていく可能性が高いと思います。
今「片手取引」にこだわる必要がここにあるんです。

5. まとめ

どんな業界でも悪しき慣習や組織構図があると思います。不動産業界で言えば「囲い込み」になります。
今大きく世の中が変わろうとしています。身近なところで言えばコロナがあり、私たちの暮らし方や働き方も大きく変わりました。
今後はAIが益々進化し、お金に関する概念も大きく変わっていくことでしょう。
世の中はフラクタル構造になっています。世界で起こっていることは日本でも起こっており、会社でも地域でもどんな組織でも起こっております。
不動産業界を変える取っ掛かりが「囲い込み」問題であり、それを打破するのが片手取引なのです。

最後までお読み頂き有難うございました!!

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