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山田金一物語余話:「山田家は次男の銀次が継いだ。」


余話は思いつきで書いているため、年代順ではない。



宗一郎の死後、実家は処分しなければならない。

長男の金一は親の面倒をみる事ができなかった為、遺産相続から身を引いた。


当時は、兄弟で、遺産を分け合うことはなく、全て、跡継ぎである長男のものである。

しかし、金一は、その権利を次男の銀次に託したのである。


銀次は、下関で、葬儀屋を経営していたので、時間的な余裕はあり、処分する手際もある程度心得ていた。


家財は、古道具屋へ依頼した。
箪笥は超一流のものがあり、割と高額で引き取ってくれた。
先祖伝来の宝刀は、二足三文にしかならなかった。

問題の土地であるが、これは元小作人の人たちが、納得の値段で、買い取ってくれた。

処分した後の遺産は、現金
で、200万円にものぼった。

これは、大金である。

当時の100万は、家を建てるか、高級外車か、憧れのハワイ航路かと言われた時代である。


銀次は、先祖伝来の墓を下関に移し、残りの金で、下関にニ百坪の土地に百坪の注文建築を建てた。

アパートにふみを引き取って
一緒に暮らしていたが、
注文建築が出来上がると
銀次一家4人とともに、ふみも一緒に、その住宅に移り住んだ。

銀次は、ふみが死ぬまで
面倒を見る事となった。


銀次の建てた家は
下関市でも、当時滅多に見かけることが出来ないほどの、大邸宅であった。


銀次の葬儀屋の商売は、益々、繁盛した。




     この余話 終わり

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