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「帰りたい場所」┃#青ブラ文学部


わたし、細田ひろ子よ。
秋田犬猫短期大学を卒業後、
オラコンナトコヤダ、東京さでてきたの。
都会の空に憧れたわ。

しゅうしょく先は、スカイツリー商社の事務職よ。

赤いハイヒールを履いて、最先端の青ブラを身に着け、青いタイトスカート、そばかすお嬢さんは、はつらつと働いたわ。

マニキュアの指・ワード・エクセル・パワーポイント、ハード・ディズね。

ひろ子の澄んだ瞳は、何処に消えたのかしら。


そしたらね、秋田に残った恋人が、ライン通話でこう言うの。

「そばかすお嬢さん、僕のもとに帰っておいでよ。緑の草原はだしで駆け巡ると、きっと君の心も癒やされるだろう。」

ナンテネ。

デモネ、ひろ子にとって、秋田は
帰りたい場所でなくなってしまったの。
ダッテ、ひろ子は都会の絵の具にドップラと染まってしまったの。

「サ・ヨ・ナ・ラ、わたしの恋人、ひろ子最後のお願いよ。ナミダ拭く木綿のハンカチーフ、贈って下さいな。」




       
          おしまい




山根あきら、さん
宜しくお願いいたします。🙏


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