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小説:ペクトラジなど

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記事一覧

柚子野亜里沙物語4「三十路よ」

わたくしこと、柚子野亜里沙は三十路になったの。 散歩社長は40歳の男盛りよ。 最近、亜里…

柚子野亜里沙物語3「なんてことなの」

わたくし、関東観光大使 柚子野亜里沙なの。 それでね、25歳になったの。   35歳の散歩…

柚子野亜里沙物語2「人気キャスター」

わたくしの名前は 柚子野亜里沙ですわ。 23歳になったの。 行く先々の観光地で凄い人気な…

柚子野亜里沙物語1「キャスターへの道」

あたいの名前は 柚子野亜里沙。 20歳になったの。 入間郡毛呂山町に日本最古の柚子の産地…

貧乏草

あたいの名前は、柚子野亜里沙。 散歩の妾なの。 散歩は年収1億のリッチな年金生活者だけど…

避暑地の恋

高度成長期、一大別荘ブームに湧きたった時期である。 大金持ちは、株に走り、不動産は特に別…

オカマのしんちゃん

武家社会の男色は、それまでの公家の美少年趣味とは異なり、女人禁制の戦場で武将に仕える「お小姓」として連れて行った部下に手を出した事が始まりだったとされる。 戦地では女性がいないため、その代わりに美少年の小姓を性欲発散の相手とする者がいた。 そして、男色は武士のたしなみと言われた時代である。 やがて、明治維新となり、武家社会が終わると、堂々とした同性愛は影を潜め、同性愛は異端視された。 昭和の時代を迎えても、それは変わらなかった。 そんな同性愛者があつまる場所として、

隣の土田さん

昭和40年代の初期 東京都板橋区に、大山建設が施工した、小さな住宅街があった。 2階建て3…

赤羽線の痴女

現在は埼京線に組み込まれているが、 昭和40年代 赤羽駅〜池袋駅を結ぶ、全長 5.5kmと極…

ネコのミーコとイタチのタッちゃん

ミーコ「ねえ、タッちゃん、まだ、たつの?」 タッちゃん「勿論だよ、試してみる?」 ミーコ…

ネコのユリとタチの麗子

レズビアンの用語で 「ネコ」は受けで女役を示す。 「プッシーキャット」に由来するが 「猫車…

弓子物語⑨夫の死から終章

夫の真一は、82歳から大腸がんに侵されていた。 真一は高度医療を拒んでいたため、放射線療…

弓子物語⑧父母の死

2038年。 父の誠死亡。行年92歳。 男としては長寿であった。 死因は脳梗塞であっけない…

弓子物語⑦夫の定年退職

2034年。 誠88歳。米寿の祝い。 真一65歳。停年退職。 弓子60歳。還暦の祝い。 トリプルお祝いである。 真一は川崎の一流企業の部長となっていたが、以外と年金支給額は少なかった。 これは、2025年から続いた少子高齢化の影響で、年金の財政も厳しくなり、支給額が次第に減少されたのが原因のように思われる。 企業年金ではなく、一般的な国民厚生年金なので、月額 25万円支給といったところであろう。 一流企業の部長としては、退職金も少なく、三千万程度であった。 これ自体