愛ゆえに 愛ゆえの
「寝落ち」
(意味)本来すべきことがある者が本人の意思とは違って寝てしまうこと。
母親または父親が子供を寝かしつけている際、目的を遂行する為におちいってしまう事象。
・・・kaman辞書より
私は朝からテキパキ動けるタイプではありません。何なら寝たまま動いてるような感じ、とでも言いましょうか。目は半分閉じてルーティーンで動いてるようなものです。なのでですね、寝る前に必ず流し台は空っぽにしています。最近主人は仕事から帰るのが遅く、自動的に洗い物も遅くなることがしばしば。でも私がスッキリしたいだけのことなので何も思っていません。
そこで1つ私自身のことと一緒に考えてはいけないことがあります。「娘の学校があること、そのために早く寝かしてあげないと可哀想」ということです。最優先事項であるので全て投げ出しその事に全力投球です。
「おーい、そろそろ寝る時間だよー。歯磨き・トイレ・お着替え~」
「はぁーい(不満気味)」
日曜日の夜から木曜日の夜まで毎晩繰り広げられる風景です。私はすぐに洗い物にとりかかれるよう、スポンジを持てる位まで準備をしておきます。水筒はバラして、炊飯器に残ったご飯はお茶碗によそっておきお釜に水をはって、お茶を淹れたポットも近くに置いて…作業がはかどるようにセットしておきます。
娘「絵本読んでね、5冊」
「読めるか」
娘「じゃあ6冊」
「増えとるやないかい」
なんて言いながら布団に入れた時間で読めるところまで読むようにしています。なので娘の準備に時間がかかった時には
「あなたがさっさとしなかったから時間なくなってしまったよ。残念だけどもう寝る時間。また明日は早く準備して読むことにしよう」
とその日その日で少しずつ違います。
そのままトントンするとかでは寝てくれない娘、私は近くで寝たふりをします。するとつられて寝る確率がすごく高いのです。本当は眠たいのでそういう雰囲気にしてやればスッと眠れるのです。
ここで!ここで注意しなくてはならない大切なことがあります。
「私は寝てはいけない」
のです。正しくは“まだ私の寝るタイミングではない”のです。あちらに目をやれば山積みのお皿にお鍋、フライパンが…そうだ、電気もつけっぱなしてきている…(ちなみに部屋の電気は主人が消してきてくれます。流し台の上は私がいくのでそのままつけてくれています)
ふり、が成功した時はそそくさと布団を抜け出し洗い物を済ませ改めて私は眠りにつくことができます。そう、ふりを成功させられたら………
はい、やっちまうのですね。例の「寝落ち」とやらを。私も正直眠いのですよ。その上布団でぬくぬくしてしまったら逆に寝るなという方が無理な話であって。娘と同時かそれより前か、無意識に深い眠りにつくのです。
でも頭のどこかで「洗い物」「電気」と強く思っていて30分から1時間でハッと目覚めるのです。この時一番に思うこと、それは
「やっちまった…」
毎晩すぎて何ならこれもルーティーンって言っとけばカッコいいかもしれません。
「私の夜のルーティーン、寝落ちやねん!」
ま、それもいいかも!
前にママ達の会話を聞いていたら「寝落ちしちゃってぇ…」と聞こえてきたので何だか話し方は失敗?悪いこと?みたいな雰囲気で、そんなものなのか、とその頃寝落ち未経験だった私は思っていました。
今なら声を大にして言えます。
「我が子が大切だから寝落ちするんだよ」
「あなたは子供を愛しているから寝落ち出来るんだよ」
胸をはって寝落ちしたことを言える、そんな世の中にしたいです。
中途半端に寝てしまって、動いて目がさえきった私…
そしてまた私は朝陽が昇る頃まで眠れない時間をこうして過ごしているのです。
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