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土日に豹変

豹変、という言葉が好き。
今は、良い意味では使われないけれど、昔は違っていたそう。

【豹変】
機を見て態度や考え方が一変すること。
「易経」の「君子は豹変す、小人は面を革(あらた)む」による語で、もとは豹の毛が抜け変わると斑紋も鮮やかになるように、はっきりと誤りを正す意。
(明鏡国語辞典第二版)

豹の毛皮のようにはいかなくとも、平日と休日で、一枚皮を剥ぐように、別人になりたい。
平日は、髪を黒ゴムで束ね、最低限のメイク、モノトーンの服で働くけれど、休日になれば、キラキラの髪飾り、濃いアイメイク、赤やオレンジの服を身にまとい、イヤリングをシャラシャラ言わせて、歩きたい。

豹変の理想は、ウェミック。
チャールズ・ディケンズ「大いなる遺産」に出てくる、弁護士事務所の職員だ。普段は淡々と仕事をこなすけれど、家に帰れば、お手製のお城に、お父さんと恋人と愉快に暮らしている。
ある日、主人公はお城に招かれて楽しい時間を過ごし、翌朝、事務所まで一緒に向かう。職場に近づくにつれて、彼はだんだん干からびて硬化し、着いた頃には、すっかり仕事モード。
さすが、豹変のプロは違う。

私には、お城はないけれど。
早く帰って、愉快に暮らそう。


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