STOCKNOIZ 続・奇跡の地球

なにげなく暮らしているこの世界は奇跡の地球だ。

恐竜が絶滅したのは、6600万年前の白亜紀の終わりに直径10km級の巨大隕石がメキシコのユカタン半島に落ちたことが原因という説が有力で、その後、生き延びた哺乳類が長い年月を経て進化し初期人類が誕生したとされている。 その初期人類が誕生した約700万年前から現代に至るまで、巨大隕石は衝突していない。まるで地球が「恐竜の時代を1億6000万年も続けてみたけど、弱肉強食を繰り返すばかりで進歩がないなぁ。一回リセットして次に繁殖する生物に期待してみるか」と操作したかのように。
そして地球は「環境は与えた。あとは人間がどう進化するのか」と問うように人間社会を長きに渡り静観している。 未だにこの地球には戦争を嗾(けしか)ける救いようのない者もいるが、隕石を落とさずに堪えてくれているようだ。
そんな静かなる地球で生活していると気づきにくいが、意外と日常でも奇跡を見つけることができる。 地中に埋蔵されているエネルギーやレアメタルなどの鉱物資源によって、これまで様々な物が生産され、社会が発展してきたし、今後もハイテク家電やロボット、空飛ぶクルマなどもっとすごい技術が開発されているとあった。
現在、深刻な問題である恐ろしい疫病が流行ることもあるが、動物や植物など地球にある物質から薬やワクチンを作ることができる。
しかし、いつもの日常に追われて暮らしていると奇跡を感じにくくなるが、実は日常生活のスーパーで買い物をしていても奇跡は隠れている。 
果物を見ると中身を新鮮に保ち、ゴミがつかないように皮で天然パッケージングされている。みかんは食べやすいように一口サイズに小分けできるし、バナナはスティック状で手軽に食べやすく、天然パッケージの皮にはエッジが入っていて剝きやすい。どうぞお召し上がりくださいと言わんばかりだ。
植物が果実を付け、動物がそれを食べる。学術的に言えば植物は広範囲に種の繁栄を目的として、動物に食べてもらい、遠くへ種を運んでもらうためと聞いたことがあるが、植物はそんな計算高い考えをもって無言で生えているのかと思うとなかなか侮れない。
他にも日常の食卓に欠かせない卵も便利である。一つ一つ殻で天然パッケージングされていて、必要な分だけサッと割って使える。
あの絶秒な殻のパッケージ素材はなかなか変わりがないだろう。
未だある。私は時々、イカの塩辛が無性に食べたくなるのだが、出来合いの商品の殆どにみりんや甘味料が入っていて甘く好みでないため、新鮮なイカを使って自分で作る。
その時に思うのだ。イカは身とワタ(肝臓)がセットでパッケージングされたとても優れた食材だと。イカ自体に塩辛セットと書いてあっても良いくらいだ。
身を切り刻んだら塩をまぶし、ワタの袋を破いて入れ混ぜるだけ。まろやかなワタのソースが絶妙な旨さで、ごはんが何杯でも行けてしまう。
とただ都合のよい解釈をしているだけだが、偶然の産物にしてはよくできている。
話は地球の壮大な奇跡から日常の小さな偶然になってしまったが、日々の生活に追われ「小さな奇跡」を意外と見逃しているのかもしれない。そこら辺に生えている雑草もよく見ると今までにない新種だったりする。

もっと楽しいことを探す貪欲さは良いが、改めてこの地球に生まれてこの時代を生き、何気ない日常を暮らせることが奇跡的であると再認識したい。
そして、奇跡を起こしてきた地球にいるならもっと良い日常生活にできる。と自分のやる気スイッチを押してみる。

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