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販売数回復と単価上昇の海外事業・ティッシュが成長分野『製紙・紙製品』*日本経済68業界

日経平均株価(225銘柄)で登場する
合計68業界の動向を紹介します。

素材の『製紙・紙製品』

▼業界動向
2014年→2023年    下落

▼業界平均
・売上高   :2984億円
・営業利益率 :4.85%
・自己資本比率:44.54%
・ROE          :6.11%
・ROA          :3.72%

※用語の詳しい説明は文章下段の
 【経営の基礎知識】から確認できます。

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1位 王子ホールディングス株式会社
減収減益:売上1兆6962億6800万円/24年3月期


新聞用紙、印刷・情報用紙部門を担当する
王子製紙株式会社などの子会社を保有。
紙パルプ業界では国内1位、世界4位。

ティシュ、トイレットロール、キッチンタオル、
ウエットティシュ、マスクなどを取り扱い、
「nepia」シリーズの鼻セレブが有名です。

海外事業では、販売数が回復し値上げも寄与。
売上高は過去最高となる見通し。

国内事業では、原燃料価格の高騰や、
鳥取県米子市に建設中のバイオエタノールの
パイロットプラント(試験用工場)建造コストが負荷。

北海道の苫小牧工場で排出された二酸化炭素と.
工場内の水力発電で生じる水素でメタン合成を検討。
2030年までに東京電力と設備導入を目指します。


2位 花王株式会社
減収減益:売上1兆5325億7900万円/23年12月期

石鹸、シャンプー、歯磨き粉、洗剤、化粧品、
衛生用紙(ティッシュ、トイレットペーパー、
おむつ・生理用品)などのトイレタリーを中心に

体脂肪をエネルギーとして燃やしやすくする
飲料「ヘルシア」などの機能系食品や、
ペット用品なども販売している日用品メーカー。

国内の日用品を中心に販売が伸び、
高付加価値製品の値上げや構造改革も寄与。
年間配当は2円増やし152円。35期連続の増配。

若者向け化粧品ブランド「KATE(ケイト)」で
初の直営旗艦店を開業。
約30ある化粧品ブランドの統廃合を進め、
ケイトなど計11のブランドに注力する。
「コフレドール」「オーブ」は2024年内に終売。


3位 日本製紙株式会社
増収増益:売上1兆1673億1400万円/24年3月期


紙パルプ業界では国内2位、世界8位。

主なグループ会社)
紙・板紙事業の日本製紙パピリア株式会社
段ボール原紙やクラフト紙の新東海製紙株式会社
建材・パルプ材の日本製紙木材株式会社
衛生用紙など生活用品の日本製紙クレシア株式会社

日本製紙クレシアのティッシュペーパー
「スコッティ」「クリネックス」が有名。

日本製紙の株価は
2019年4月の2364円をピークに、
2024年8月に820円まで下落しています。

海外進出やティッシュなど成長分野の出遅れ、
新型コロナウイルス禍の印刷用紙の市場縮小。

祖業である「紙・板紙」の戦略投資をゼロとし、
新規事業に力を入れ始めたが、株式市場では、
遅すぎた戦略転換に疑念が残り続けています。


4位 ユニ・チャーム株式会社
増収増益:売上9417億9000万円/23年12月期


紙おむつ、生理用品などの
衛生用品(衛生用紙)メーカー。

ベビーケア、フェミニンケア、ヘルスケア関連製品で
アジア1位のシェアを誇り海外売上は60%超。

日本やインドで生理用品などの販売が伸び、
北米を中心にペットケアも好調。

新製品発売やリニューアルの
価格引き上げによる単価上昇で、
人件費などのコスト増を吸収。

卵子の凍結保管サービスを安く利用できる
社員の福利厚生制度を開始。

正社員やパートのほか、
その妻や子供なども対象としており
毎月5500円の保管料が3割ほど安くなる。

サウジアラビアでは、女性だけが働く工場を建設し、
女性の雇用と社会進出に大きく貢献している。


5位 レンゴー株式会社
増収増益:売上9007億9100万円/24年3月期


大阪市に本社を構える板紙・段ボールなど
紙製の包装資材を製造・販売する企業です。

国内で食品や飲料業界向け
運搬用の段ボール販売が伸びています。

段ボールや紙器製品の値上げが浸透し増収。
2期連続の過去最高益を見込んでいます。

石油由来の樹脂フィルム代替需要として
食品などの包装材に使う植物由来の
「生分解性フィルム」増産に向けて、27年までに
福井県越前市の武生工場の生産設備を増強。


6位 大王製紙株式会社
増収増益:売上6716億8800万円/24年3月期


ティッシュペーパー・トイレットペーパー、
ベビー用紙おむつ、大人用紙おむつ、生理用品、
ペット用品など幅広い生活用品ブランド
「エリエール」で知られる製紙メーカー。

紙や板紙の販売は落ち込んでいますが、
国内外で生活用品販売が堅調に推移し増収。
原燃料費の高騰で生産コストは増加傾向。

24年5月に業務提携を結んだ
北越コーポレーション株式会社の
鉄道コンテナで共同輸送を試験。

今後は物流倉庫の相互活用も検討し、
提携効果拡大を目指します。


7位 北越コーポレーション株式会社
減収減益:売上2970億5600万円/24年3月期


洋紙(コート紙・印刷用紙など)、白板紙、特殊紙
などを扱い、業界内でも生産効率が高い会社

国内事業は円安による原燃料価格高騰が続きますが
海外事業はパルプの販売価格が回復しています。

大王製紙株式会社と共同でトラックの
往路と復路で相互の製品を運ぶ
「ラウンド輸送」を開始し物流効率化。

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【経営の基礎知識】これさえ分かれば大丈夫!

[ 損益計算書(PL) ]

売上高(客数 × 客単価)
−原価   :仕入など製造原価、人件費など売上原価
−販売管理費:営業活動費、物流、広告、水光熱など
=営業利益

−営業外損益:銀行利息、為替損益、株式損益など
=経常利益

−特別損益 :突発的な損益、固定資産の売却など
−税金   :法人税、法人住民税、消費税など
=当期純利益

営業利益率(=営業利益 ÷ 売上)
5%〜10%で優良な経営状況といえます。


年間の経営活動で得た当期純利益を
利益余剰金として自己資本(純資産)に加える。

ちなみに、自己資本(純資産)と、
銀行などから借りた他人資本を合わせた
「総資産」が会社のお財布になります。

自己資本比率(=自己資本 ÷ 総資産)
少なくても30%、50%以上で優良な経営状況。


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[ 貸借対照表(BS) ]

ROE(=当期純利益 ÷ 自己資本)
自己資本(純資産)は、返済不要な資産、
ROEは、自己資本利益率の略になります。
10%以上で投資価値があると判断されます。


ROA(=当期純利益 ÷ 総資産)
総資産は、自己資本(純資産)+他人資本(負債)、
ROAは、総資産利益率の略になります。
5%以上で投資価値があると判断されます。

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