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囲(かこい)ロード②

車が好きだった僕は車関係の会社に内定をもらっていたが、1年先に社会人になっていた昔からの友人が「うちの会社に来ないか」と声を掛けてくれた。業界はIT。パソコンなんて大学でレポートをコピペする程度の知識しかなかった僕だったが、「IT」の言葉の響きがかっこよく思えて、これまたちっぽけな安易な考えで「行く!」と二つ返事。友人の声掛けで面接も形だけで入社することができた。
意気揚々と入社し、10名程の同期とプログラマーの研修が始まった。同期とは仲良くやっていたが、これがまたもう開始早々10日で音を上げてしまうことになる。
「まっったくついていけない、そもそもPCの使い方自体が分からない」
分からないレベルが基礎過ぎて周りに聞くのも恥ずかしいし、プログラミングが難しすぎてちっとも面白くない。
このままではダメだ、でも頑張れる自信もない。じゃあ何ができるかと考えた末に、「話をすることはできるな」と直感的に感じ、思い切って上司に「営業にして下さい」と直談判することに決める。

つづく

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