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祈祷と信頼関係

 祈祷は例えれば写真の独鈷杵に譬えれば、一方の先を神仏、もう一方を依頼者として、その真ん中が祈祷者(行者)で、これが一体として用いられるには両突端と真ん中の部分が真っすぐに繋がっていなければなりません。

 三つの部分のどこが一つに不具合があっても独鈷杵という法具として成り立たないのと同じで、神仏、依頼者、行者は一体感をもっていないと祈祷自体が上手く行かない場合があります。

 祈祷のパワーを十全に身に受けるには、こうした一体的な感覚が重要になります。これは主として中継ぎであり取次手である行者が鋭意配慮すべきなのですが、依頼者のサイドでも意識するとより良い効果が期待できます。

 三者の謂わば風通しが良いと、前述の一体的な感覚もアップします。故に行者には色々と可能な範囲でしっかりと情報を伝えるのが良いでしょう。また中途でも気になったことなどは早めに報連相(ビジネス用語で、報告・連絡・相談のこと)を心掛けると宜しいかと存じます。

 加えて信頼関係を現実的にも靈的にも壊さない事が大事です。信頼関係保持の責務は第一義的には行者にあると思いますが、依頼者サイドでも信頼して委ねていただくのがベターです。

 例えば、占い師Aさんの結果を、違う占い師Bさんに伝えて「本当に合ってますか」と尋ねるのは、靈的に信頼関係を損ねます。祈願も同様で、C師に祈祷してもらっているのに、その真否を別のD師に尋ねるのは、C師を信頼していないのと同義。

 行者には複数の守護の御神靈がついていますので、C師が仮令、その事実を知らなくても守護の御靈の覚知するところとなり、靈的には信頼関係は破壊され、祈祷した分は動いてくれるものの、それ以後の依頼には守護の靈は働きを止めたり、疎遠になるよう持っていくなどの結果となります。

 そうならない為にも行者との報連相は密にしたほうが良いでしょう。祈祷しても中々現実が上手く行かないと焦る等の気持ちは十分理解しますが、靈的な信頼関係を損なう行為はしないほうが得策です。

 相談先が多いと巷間の諺がいうように 「船頭多くして船山に上る」という状況になります。なかなか思い通りにならないときには、相談先であるプロと相談して、方向性を変えるなどの手を打つか、又はその人への依頼を終わらせて、別のプロの方へ行くか、等々色々と探求すると良いかと思います。

 プロは個々に「一人親分」ですから、アドバイスの方向などそれぞれに違いがあります。故に同じことでも十人十色の「見解」を出すので、相互に齟齬をきたすこともあり得ます。が、それぞれプロなので、それには相応の理由がありプライドもあります。

 祈祷というのは靈的な関係性を構築して積み上げていくものですから、特に靈的な相互信頼は重要です。それを損なうと100%の効果が発揮されない可能性もあり得ます。この相互信頼という視点は大切かと考えますので、お知らせした次第です。恐懼再拝

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