真空成形(vacuum forming)

真空成形とは加熱して軟化させた板状の樹脂などを吸引して原型に密着させ、成形する技術のこと。

特徴
・さまざまな材料を用いることができる。
・原型が一つあれば短時間で複数個制作ができる。
・樹脂の厚さや寸法にばらつきが生じる。
・材料の再利用不可、端材の発生などロスが生じる。

使用するもの


①PET(ポリエチレンテレフタラート)板
特徴
・折り曲げてもヒビが入りにくい
・傷つきやすい
・燃やしたときに有毒なガスが出ない
(似た材料でPVCポリ塩化ビニルがあるが燃やしたときに有毒なガスが出る、発生したガスは金属を錆びさせてしまうと言う特徴があるためPETがよく使用される。)
②中に入れる、元となる材料
今回はバルサ材を使用する。
(バルサ材の特徴
・軽量で柔らかい
・カッターナイフや彫刻刀でも加工がしやすい
・耐久性が低い)
バルサ材の他に石膏、石粉粘土、樹脂、金属、ケミカルウッドなどが使われる。
特徴
・熱に強い
・潰れない

手順

①バルサ材を成形したい形にする。

図面と成形後のバルサ材

成形する時は図面を切り取り、厚紙などに図面を貼り、その図面をバルサ材に当てる。バルサ材をカッターで大まかに切り取り、合わせた図面に紙やすりを使い近づけてく。
成形の際のポイントは最終的に板から取り外せる形にすること。
窪みをつけるなどしたい場合は窪みの底に穴をあけ、空気の通り道を作ること。(抜き勾配を作る)
下底が上底よりも短い台形などは出来ない。


正面
完成後

②PET板を木枠に挟み温めて柔らかくする

上:木枠 下:ヒーター


温めている様子

温めが不十分だと成形する際にバルサ材に密着しないということが起こる。
温めすぎるとPET板が白くなってしまう。
そのため一点に熱を加えるのではなく、板全体に熱を加え様子を見ながら温めるのがポイント。
木枠にしっかり板を挟んで温める。

③真空成形機に原型を置き、温めPET板をのせ、下から吸引。

真空成形の様子

温めたPET板を原型にあて、下から吸引し成形する。
温めた後素早くこの工程を行うことが大切。

④成形後PET板を冷まして完成。

完成

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