刀ミュパライソ 勉強用メモ

日本のキリシタンと信仰について、島原の乱について、パライソ公演当時に自分の勉強のためにまとめたものです。
口伝で聞いたもの(出典不明)や個人的な考察も含みます。なんとなく時系列。参考になりそうな資料も最後に。

この静かの海のパライソという作品は、初演の時、公式が歴史人物伏せてたのが印象的でした。

・フロイスをはじめ、西洋からきた宣教師はきわめて冷静に日本人を観察した。(フロイスの「日本史」は有名)
教えを聞きキリシタンとなった日本人は、異国からきた宣教師をとても親身に世話をして、彼らを感動させた。日本人への宣教師の評価は高く、「もっとも優秀で理性的」だと言わしめた。

・秀忠の時代、禁教政策下でマカオに追放されたママコス宣教師の預言
「25年後、16歳の天童が現れ、パライゾ(天国)が実現するであろう。」
→ちょうどその年、天草四郎が現れたとされる。

・島原、天草地域は、信仰の玄関口であり信仰が色濃く残っていた土地。なぜこんな苦しい思いをするのか=自分が信仰を捨てた天罰だと考えた。

・キリスト教信仰を容認してほしいという要求。普通の一揆とは違う(普通の一揆は年貢を下げてほしいとかそういうもの)。宗教的な意味合いの強い一揆。

・天草に住んでいたのはキリシタン大名の家臣だった。元武士の牢人といわれる人たちが一揆の指揮を執った。

・原城跡からは、同間隔の区画が複数現れた。それは住居跡で、村から出てきた一家がそのままそこに住んでいた。冬の籠城にも関わらず、火を使った形跡がなかった。=火事が起こったらそこから攻め込まれるから。ここまでの統率がとれていたことは特筆すべき出来事。

・島原の合戦図屏風を見ると、妻に手をかける男性の姿がみられる。足手まといになった女性や子どもは殺されていった。集団自決も多かった。

・幕府側と内通した山田右衛門作は、その後再び信仰に立ち返った説もある。

・鎖国以降、日本のキリスト教信仰は、土着の信仰や文化等と混ざり合いながら独自の形態に変容していった。
だから島原の乱はそれ以前のカトリック信仰で、学ぶ、祈るといった形態は、宣教師が行ったものそのものだったはず。後々「唄オラショ」として歌われた聖歌は、当時はより原曲に近い形、よりオリジナルに近い発音のラテン語で歌われていた。

・徳川時代、取り締まりが強くなっていくなか、キリシタンたちは幕府の政策を様々な知恵で乗り切りかわしていった。そうしなかった人もいた。

・捕縛時はほぼ無抵抗で、幕府側も恐れるほど潔かったそう。仲間が捕縛されたときは「自分もそうだ。連れていけ」と名乗り、自らも殉教した。

・牢に投獄されたあるキリシタンの幼い少女。哀れに思った見張り番が、棄教したら食べ物をあげると優しく伝える。だが少女は「パライソに行きたいから」と断り、そのまま餓死。

・禁教の高札が撤去されたのは諸外国からの非難を受けた明治あたり。
現在でも、クリスチャンだと名乗りを挙げると権力者にひどい目に遭わされると思い、隠れて信仰を守っている方々がいる。(先祖がそれで騙されてきたから)



◯参考文献
「フロイスの見た戦国日本」川崎桃太 中公文庫そもそも弾圧に至った経緯はなんなのか。

「戦国合戦絵屏風集成 (第5巻) 島原の乱図・戦国合戦図」中央公論社
島原の乱で出る合戦図屏風はこれです。

「島原の乱 キリシタン信仰と武装蜂起」
参考資料からの引用がとても多くて良かったです。

遠藤周作著「沈黙」

「島原の乱図 戦国合戦図 戦国合戦絵屏風集成 (第5巻)」

藤木稟著
「バチカン奇跡調査官 原罪無き使徒達」
登場人物の関係性とかはシリーズものではありますが、事件から解決までは1冊完結で読めます。各地で起こる奇跡と呼ばれる現象を、バチカンから派遣された神父たちが調査するシリーズ(アニメ化もしてます)。この巻は日本の隠れキリシタンが舞台で、小説だからこそ伝わるものが多くあります。


◯参考動画資料
世界文化遺産 002 第2回「潜伏のきっかけ…島原の乱」
https://www.youtube.com/watch?v=m94Km8od_MU&t=1109s

2020.3.14NHK総合放送『ブラタモリ「島原・天草~なぜキリシタンは250年も潜伏できた?~」』

MAGI 天正遣欧使節
※アマプラでは2024.2.12現在観られなくなっている?

#刀ミュ  

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