投稿6日目【マジシャン】

緑の多い街に住んでいる。
緑の多いところがこの街の魅力でありそして私自身この街が好きな理由のひとつだ。

緑が多い環境の良い点は空気が気持ち良く、視覚的に癒され、風が光っているように感じられ、香りも清涼であることだ。

一方で悪い面もある。(ちなみに良い面も悪い面ももちろん主観である)
それは「虫」の存在だ。
我が家は緑に囲まれた低層のマンションである。(しかもエレベーターなし。育児辛い。)
引っ越しの日は6月。ジメジメした季節、新しい住まいに胸躍らせる我々夫婦に思わぬ来客があった。
文字にするのも恐ろしい。足がたくさんある「ムーさん」である。
まさか自宅の、リビングの、床の上で見る日が来るなんて。
気を失いそうになりながらも夫と撃退。
「ムーさん」に関しては、新参者を歓迎するためかこの年が最も来客が多く5名ほどお目にかかった。
死にそう。
ちなみ理由はわからないがめっきりお目にかからなくなったある日、下に引っ越してきた家族のご主人と話す機会があったのだが、やはり「ムーさん」に悩んでいた。しかも奥様が噛まれたそうだ。
無理。死にそう。
「ムー」は新参者が来たら偵察に来る習性でもあるのだろうか。

次は「ゲイジーさん」だ。「ムーさん」ではないがやはり脚がたくさんあるタイプである。
台所のタオルにいたザワザワしたもの、それが「ゲイジーさん」。
窓から放り出した。
その後再びベランダの天井に特大サイズがいなすった。
スプレーで退治。
死ぬ。

蜘蛛はしょっちゅう。

ヤモリも1年に1度は目撃する。

嫌われ者の代表「Gさん」は意外と少なくて2回ほどだ。

夏は蝉の大オーケストラ。
すぐ近くの木で大量に鳴っているのは仕方なしとしても、近すぎてしょっちゅうベランダに迷い込んでは出られなくなってワーワー大騒ぎして非常にうるさい上にそこで息絶える。
網戸に張り付いての大絶唱もたまらない。
さらにエレベーターなしの階段でのセミファイナルとの遭遇は夏の最大の苦行と言える。
夏が始まり終わるまでの3ヶ月間ほどの期間は外出と帰宅が憂鬱で仕方がない。しかも今は小さな子供たちを連れて必死で登り降りしているため身軽に駆け抜けることができない。
今書きながら間もなくやってくる夏に絶望した。
今年は赤ちゃんから片足出たくらいの長女と生後半年の次女とベビーカーを抱えての保育園の送り迎え。そこにセミファイナルに遭遇したらと思うと。。
気を失った方が楽だが大事な娘たちを抱えて気を失っている場合ではない。
つ、強くならねば。。無理・・。

そして今回の主役「マジシャン」とは「カメムシ」のことである。
こいつらは本当に多い。窓に目を向ければ必ずと言って良いほど網戸に張り付いている。
網戸に張り付いていたって良いさ、そのための網戸だもの。屋内に入ってこなれければいいんだもの。
ところがあいつらは腹の立つことに網戸の「こちら側」にいるんだよ。
それどこかよーく見たら窓ガラスのこちら側にいることもある。
いったいいつ?どうやって?「チャララ〜ン」とまるでマジシャンのように気づくと「こちら側」だ。
冬は越冬の為にサッシの隙間とかに5匹くらいがズラーっと身を寄せ合っているのを初めて見た時は白目を剥いた。
何度も忌避剤を窓周辺に吹きかけてみたがまっっっっっったく効果がなく翌日「いないこと」を確認する為に窓の方に目をやると、いる。
排除しても排除しても排除しても排除してもキリがないので窓ガラスの向こうにいる連中に関してはほっておいてみると、たいていジッとしているのだがまれに2匹重なったり(やめろ)、縄張り争いで揉めていたりする(よそでやれ)。
網戸で卵らしきを確認したこともある。

サッシに隙間があるのだろうがこう簡単にこちら側とあちら側を行き来されるのはたまらんものがある。

比較的悪さしないしあんまり動かないし、今のところ匂いの被害に遭ったことがないから、上記のレジェンドたちに比べたらマシかもしれないがそれでも本当に非常に人をイラつかせる。
窓の業者に怒りすら覚える。

これを書いている今も網戸のこちら側に2匹張り付いている。
殺意。

なんとかならないかなー。

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