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ハマかぶれ日記224〜同病歓喜のドーム観戦

 きのうは東京ドームに足を運び、わがベイスターズと巨人の一戦を観た。3連戦の初戦、2戦目を連敗。せっかく前の中日とのカードで3タテを食らわせて貯金を増やしたのに、3連敗すれば、すっかり吐き出してしまう。「きょうこそは何とか」と祈るような重苦しい気分で、シートに腰を下ろした。
 試合が始まって数分後には、もう気分はかなり軽くなっていた。先頭打者の梶原からオースティン、佐野といきなりの3連打で2点を取ると、宮崎も2塁打で追い討ちをかけるなどしていきなり4得点を取ったのだ。「これは絶対にいける」。座席を確保してくれた同じ重篤なハマかぶれの知人とグータッチなんぞして、はしゃいだ。
 バックネット真裏の、もしかしたらテレビ画面に映るかもしれないという前の方の席で、投手の投げる球筋がよく分かる。ベイスターズの先発左腕のケイは、変化球の制球には若干、苦しんだものの、155キロ前後のストレートがコーナーにびしびし決まって凡打の山を築いた。8回投げて2安打、無失点。この間、牧と宮崎の本塁打で加点し、6対0とリードを広げていたから、ほぼ勝ちとは思いつつ、この日朝の大リーグで、大谷が所属するドジャースが9回に5点差を追いつかれて延長で負けた試合をチラリと観ていたから、安心はできないと最後まで目を凝らすことにした。
 先発のメドである100球以上を投げ、8回で降板したケイに代わって最終回のマウンドに立ったのが、約1か月前に不調で2軍落ちし、この日復活したばかりの山﨑だったから、なおさらだ。思わず、「5点までは取られていいからな!」とグラウンドに向けて大声を出し、周囲に笑われてしまった。
 その山崎は、2軍落ちした頃には140キロそこそこまでストレートの球速が落ちていたが、きのうはコンスタントに140キロ後半、中には150キロ超の球もあって久しぶりに打者の手元での伸びを感じた。バックの好守備もあり、危なげなく三者凡退で試合を締め括った。失礼な声掛けをしたものだ。最高に気分のいい勝ち方に酔いしれながら、ちょっぴり反省した。
 充実の2時間半を過ごした後は、神田の「かんだやぶそば」へ場所を移して、ハマかぶれ同士の乾杯をした。明治創業の老舗。伝統の練り味噌がほのかに甘く、うまい。ここは日本酒で行くしかないでしょ。暗黙の了解のもと、味噌を舐めたあとは季節の天ぷら盛り合わせや板わさ、鴨ロース、天抜き・・と、次々に肴をオーダーして、灘の銘酒、菊正宗のお銚子を5本、6本と重ねていった。
 「まさに勝利の美酒ですなあ」。一つ試合を勝っただけで満面に笑みをたたえ、賑やかに酒で盛り上がる。還暦を過ぎて何年かになる超分別盛りぞろいのはずなのに、「病膏肓(こうこう)」とは、よく言ったものだ。熱狂にして単純。
 きょうは海の日。旗日とあって、月曜日でもプロ野球の試合がある。ベイスターズは本拠地・横浜スタジアムに戻り、相手は広島カープ。これは間違いなく勝つ。だって、海に鯉はふさわしくないから。
 
 

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