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CRYAMYとわたし

6月22日 明日で一週間が経つね
いまだに映る景色、手に入れた感情、全部をあの日に あの3時間に当てはめながら、大恋愛のエンディングみたいな日々を過ごしています。
いつまでも続けばいいのにね

間に合いそうになくて少し八つ当たりとかしながら揺られた電車、うまくいかないことだらけの人生。
バカみたいに走って、バカみたいに走って、辿り着いて、ステージがやっと見えた瞬間に姿が現れた 全部がわざとみたいだった。
もう始まるのに、あたりまえの気持ちと顔でドリンクを買った。

君のために生きるという 君のためにできる限り

こんなの、これ以上ないと思った。
彼の声が流れて、特技:疑うこと の私が私のままで抱きしめていた曲に、歌詞にしがみついては泣いてしまった。
ハイボールと、アクエリを手に入れて、席を探す。

1秒でも間違えてしまうと、一曲でも変えてしまうと、全てが壊れてしまうような気までするほどに細い糸の上を、
上も下も後ろも過去も未来も全部を目にも止めず目の前だけをみて、きちんと根拠を持った余裕な表情で進んでいくようなライブだった まるでCRYAMYというバンドの、生き方そのもののような歩き方だった。

忘れたくないこと よりも、忘れたらいけないこと のように感じる時間で、感情で、景色だった。聞きたい曲とかどうでもよかった。生きている、ただそれだけのライブだった。それがどれだけ難しいことか、わかってるつもりだった。
努力したって手に入らないものだってわかった上で、自分がそこに立って伝説を組み立てる瞬間を何度も想像してしまった

そんな私のことは置いていくように曲は進む。時間は流れる。
あの場所で、それだけが救いだった

ふと後ろを振り返るとたくさんの人がいて、広島4.14 のステージを思い出した。
まばらな人の中で、最前のど真ん中で、全てを忘れて全身を壊すかのように踊った夜を思い出した。終演後、あの人が 世界で一番好きだったあの人が、教えてくれた悲しいことを思い出した。聞こえ辛くて聞こえたふりした自分の張り付いた笑顔を思い出した。そのあと、少し時間がかかってなんて言ったのかようやくわかった瞬間、1秒ごとに彼の後ろの方で引き攣っていう自分の表情を思い出した。誰よりも近くにいたのに気がつけなかった情けなさを思い出した。それなのに、その事実だけが彼らの言葉が嘘じゃないと思ってしまう夜を思い出した。彼がそのことを教えてくれた理由を考えた日々を思い出した。

もし彼がここにいたら、たとえ隣じゃなくてもここにいたら、なんて言っただろうと考えた どんな顔をしていただろうと考えた
もう何も思い出せなくて、かなしくなった。

それでもやっぱり、私のことは置いていくように曲は進む。時間は流れる。
あの場所でそれだけが救いだった

あまりにも思い出したくないことの隣にいたCRYAMY の音楽が、今日は忘れたくないことの隣にいた。それが、どうしようもなく嬉しかった

止まらない音が、ありえないほど美味しいハイボールが、隣の人が開けてくれたペットボトルが、言語化できないいろんなことが、確かにそこにあるまま人生が続く。それがどうしようもなく愛おしかった。

終わらないでと願うような時間が、
本当に終わらないような気すらするままで進む。終わらないでなんて思う暇もなくて、それもやっぱり嬉しかった。

なんの才能もないような君が特別だったんだ
何もなくても、何もかもあるように見えていた よりも、持っていないことも全部まとめて君の才能のように映ってたんだ、いつか伝えたいのにな

愛おしい音楽が、苦しい音楽が、1秒ずつ離れていく。
私のロックスターは革命児は小池貞利だけだったし、伝説はteto だけだった。
それでも目の前で生きてるから、生きてるせいで、何回もそれは、その言葉はダメだよとか言いながら、簡単なこと言えやしないよ 君の絶望に触れていたいよ
を聞いた時 ああー、もういいよ ロックスター  なんて思ってしまった
あの瞬間忘れたくないな

信じるなんてひとりひとりにならないと、ひとりぼっちの中にじゃないと成立しないことだとずっと思っていたのにそれをできてしまうCRYAMYが、神様のようでした

奇跡だったね 何回最後かもって思っても世界を最後に歌うことはもうわかりきってて、最初からとかじゃなくて、進んでいくたびに心の中でそれがそっと確信に変わっていって、あからさまにその曲をやらない彼らを見て「そんな尖り方しなくてもあんたらの周りには、ここには、命を預けるようにあなたたちの、あなたのこと愛してる人しかいないから大丈夫だよ」って思った瞬間もあったけど。
それでもわかってたよ

全部が終わった時、まだまだここにいたいって気持ちを、この曲より最後にふさわしい曲なんてないでしょって気持ちが当たり前みたいに追い越して、鳴り止まない手を叩く音を背に出口に向かったこと

愛してるよ とかそういう大袈裟に聞こえるはずの言葉を口からうっかり溢すように言うたびに「もうこれでいいや」って諦めと「自分ってこんな事こんな大勢の前で言えるんだちゃうんだ」って驚きと喜びをぐちゃぐちゃに混ぜたみたいな笑い方をみるたび、そんな顔しなくてもわかってる、信じてるよって思った

どうしよう、書いてたことの半分消えてしまった 忘れたくないことをかいてたのに、消えてしまった どうしよう、どうしよう、取り戻せないけど、どこかで生きていね

まだ明るい空が、どうしても彼らとは不釣り合いに見てたけど、それを無視して音は進んでいく ひとりぼっちで布団に潜って何も見えなかったあの日との対比で苦しくなった 夢みたいだった それでもちゃんと暮れていく空に、いかないでとすら思ってしまった

引き裂けるように音もなく千切れてしまいそうなギターの音が、真面目でありえないほどまっすぐなこと言葉が、それを信じた4人が、跡形もなく消えてしまう日が来たとしても私は笑ってずっとここで待っているんだろうな
もし戻ってきてくれたら、わかってたよって顔で笑うんだろうな 彼がそうしてくれたように 愛しています
っておもったことを、いなくならないでよりも先に伝えたいと思ってしまった

それでも きえないでね

信じてないけどうれしかったよ



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