こんな授業がもっと多くの大学で開講されればいいのに・・・

自分のために癒しご飯を作って
心も体も幸せになる
<一汁一菜シンプル自炊>をお伝えする
自炊伴走人ひろきよです。

今日は最近,読んだ本のご紹介です。

『18歳からの自炊塾』比良松道一

九州大学農学部の教員だった比良松道一さんが
2013年から10年間,開講した「自炊塾」の取り組みと
学生たちの生き方の変化を綴った本です。

「自炊塾」は九州大学のさまざまな学部に所属する学生さんが
15週間で2単位を取得する,れっきとした授業として開講されました。

この「自炊塾」の特徴は・・・
・レシピは配らない
・定員25名の少人数セミナー
・15週間で40回以上自炊する
・自炊記録はfacebookに投稿
・週1回1品持ち寄り昼食会に参加
など,色々あるのですが

最大の特徴は
自炊を身につけていく家庭で
食が心身の健康,少子高齢化社会,食文化や農業の継承,
災害復興や防災,環境や生態系の破壊など
さまざまは課題と結びついていることに自ずと気づき
その課題を解決するために個人的に何ができるかを考え
行動するようになること
だそうです

比良松先生が自炊塾を開講するに至った動機は
授業の一環として学生に食事内容の調査を行ったこと。

学生の98%が「日本の農業は大切」
「自分たちが食べるものくらい自国で作るべき」
「日本の食料自給率の低さが心配」と思っているにもかかわらず
彼らの食事内容は
朝食は食べない,ご飯よりパンを食べる,
食材から手作りした食事がない・・・
という状況。

その状況を知り
自分の口に入り,体をつくる食に対する無関心さに危機感を感じ
まずは自分でご飯を炊き,出汁から作った味噌汁を食卓に並べ
食材の命や作り手に感謝して手を合わせて食べる。
食事作りを通じ,食の向こう側につながっている
世界を見通すまっとうな感性と健全な心身を育てたい
「自炊力」という一生役立つ財産を学生に贈りたい,
という思いが湧き起こったからだそうです。

この「自炊塾」ではレシピをいっさい配布しないのですが
レシピの呪縛から解かれ
自ら手を動かし,五感で感じ,素材の味を生かそうと
味付けや調味料に気を配り,料理を身につけていくためだそうです。

今は携帯でググれば無限にレシピを手に入れることはできますが
それに頼って,料理の正解を探してばっかりでは
本当の「自炊力」は身につかないと思います。

私は料理ポンコツだった自分の経験から
料理が苦手,自炊できない,という方に
徹底的に寄り添って,その方が生きていくために
必要な「自炊力」を身につけることを
サポートしていきたいと活動していますが
この本はそんな私にとって非常に学びになるものでした。

もっともっと活動がんばっていくぞ!!!

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