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カッコつけて吸う時代は


部屋に染み付いたニオイはなかなかとれない。

接客などをしているひとは特に
「匂い」に関しては敏感なのではないだろうか。


日々のスマホ記事を眺める日々に嫌気がさした
私は、久しぶりに雑誌を買った。


「monoマガジン」


喫煙具と音響機器の特集を組んでいた。

セブンイレブンの雑誌コーナーで
興味をそそられたのがこれだった。

750円。


本て高いよなぁ なんて思いながらSuicaをピピ。


金の無い学生時代
古いファッション誌をBOOKOFFやら
フリーマーケットで数枚の小銭で手に入れては

「ecoh」を吸いながら部屋で読んでいた。


父も母もヘビースモーカー(母はチェーン)
だったので遺伝子にニコチンが組み込まれて
いるかのように、なんの抵抗もなく
タバコを吸い始めた。

初タバコはマイルドセブンBOXの6mm。

バイトが出来る歳になると
レストランで働き始めた。

そのときド近眼の先輩が吸っていたのが
「ecoh」
だった。


『一本やってみるか?』と僕に差し出す。

油じみたコックコートから出したしわしわの
オレンジ色のパッケージに惹かれた。


『浅く吸うのがいい。辛いからな。
おれたちはタバコ休憩なんてないようなもんだから、これくらい短いのが丁度いいんだ。』


このセリフはカッコよすぎて未だに覚えている。


記憶をさまよいながらページをめくる。

加熱式たばこがでてしばらく経つ。


各雑誌によく広告が載せられるようになった。
私も紙巻きから加熱式に6年前から切り替えた
が明らかに変わったことがある。


それは「喫煙の意味」だ。


カッコいいから
香りがすきだから
パッケージが好き

とかは無くなり

ただただ、非喫煙者に迷惑をかけることなく
ニコチンを体内に摂取するという
実に有害なことしかない行為に成り果てた。


煙の吸い込み方も、いわゆるクールスモーキング
ではなく
ガッツリ吸い込んで肺に蒸気をいれるので
(煙から蒸気にかわったので吸いやすい)

紙巻きよりもニコチン摂取効率は
上がっている実感がある。


あと、本数がめちゃくちゃ増えた。

実によくない。

なにより



タバコの時間が楽しくなくなった。


カッコがつかない(笑)

monoマガジンの誌面では
元プロレスラーの前田日明が葉巻きについて
語り尽くしていた。

渋すぎた。

こころなしかコーヒーも渋く感じた。






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