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運動会のおいなりさん


運動会においなりさん作ってね!

から揚げやハンバーグ、肉巻きなどのお肉系はその時々で変わるのに、6年間同じリクエストをし続けてくれたのが、おいなりさん。たぬき蕎麦※も好きだったから、きっとあの甘く煮たおあげさんが好きやったんやろうね。どういうこだわりなのか、ご飯に混ぜるのは何でもいいよと言うのに、白ごまだけは入れてと言っていたね。それなのに、小学校最後の運動会では、白ごまを買い忘れてしまい…その年は紅組だったから、という事にしておきましょう。そして、この年が紅ショウガだったのは、たまたまだけど(笑)
※関東ではたぬき蕎麦は天かすですが、関西では油あげがのったきつね蕎麦のこと。
 

毎年の色んなおいなりさん

改めて毎年のおいなりさんの写真を振り返ってみたら、色んなおいなりさんがありました。大葉が入っている年、紅ショウガと白ごまの年(メイン写真)、白梅酢で漬けた新生姜と白ごまの年もありました。生姜が良く使われているのは、刻んだ生姜とご飯とを混ぜるだけで、すし飯風に仕上がるから。ほんのり甘く煮たおあげさんと生姜の相性もよく、ご飯に砂糖が入らないさっぱりした後味は、運動の時にちょうどいい。そして、すし酢を作る手間も省けます。さて、どんなおいなりさんが記憶に残っているのかな。

生姜に加えて大葉も刻んでのせた年

おあげさんの「お」

おあげさんの元である、豆腐には、体の余分な熱をとる働きがあります。また、体を潤す働きもあるので、皮膚の乾燥、口乾き、空咳にもよいとされています。油で揚げてあるので、酸化した油を落とすのはとても大切。お湯で煮て油を抜いてから使います。
 

しょうがの「し」

甘酢や、梅酢につけた生の生姜は、解熱や殺菌効果があります。暑い日のほてりにもよいから、おあげさん(豆腐)&生姜の組み合わせは、運動会にはもってこいだね。生姜は面白くって、乾燥させたり、加熱したりすると、身体を芯から温めてくれるという解熱とは反対の作用があり、その効果が変わるよ。風邪には生の生姜、冷えには乾燥した生姜と思っておいてね。風邪の時によく作っていた梅醤番茶にも生の生姜を入れていたので風邪にいいのは記憶にあるはず。
  


材料 

油あげ 8枚(16個分のいなりの皮)
【煮汁】
昆布とかつおで濃い目にとっただし汁 400ml
みりん 大さじ2
はちみつ 大さじ2
醤油  大さじ3~4
【ご飯の具】
紅しょうが(生姜の甘酢漬けでもOK)適宜
白ごま 適宜

作り方

  1. 油あげの上に、菜箸をコロコロ転がし、半分に切って中を開いて袋状にする。

  2. 鍋に湯を沸かし、2~3分油あげを湯がいて(油抜き)水気を切る。

  3. 両手に挟んで水気を絞り、鍋に高さが均一になるように並べる。

  4. 鍋に煮汁を入れてクッキングシートの落し蓋をして15分ほど煮る。

こんな風に並べると均一に味がしみ込みやすくなります

5. 少し硬めに炊いたご飯に、刻んだ紅しょうが※と半分くらいすった白ごまを混ぜる。
6. ご飯を俵型に握り(手水は、油あげの煮汁を使う)おあげさんに詰める。
 
※紅しょうが:薄切りの新生姜に3%ほどの塩をふり時間を置いて絞ったものに赤梅酢を浸るまで入れてつけたもの。白梅酢で作ると白しょうがになります。

おいなりさんの皮は、事前に作っておいて冷凍庫へ。運動会の前日に冷蔵庫に移して解凍して使っていたよ。残ったおいなりさんの皮は、刻んでちらし寿司の具や、たぬき蕎麦にも。
 

おいなりさんリクエストの理由

ちょっと手間がかかるおいなりさん。他のおかずもありながら、欠かさず毎年作れていたのは、事前の「今年も作ってね~」とキラキラした眼でのお願いと、満面の笑みでほおばって「美味し~ありがとう~」の言葉があったから。今思うと、どうして運動会においなりさんが定番のリクエストになったのか…その理由は定かではありません。でも、理由を聴かなかったということは、わたしにとってあなたの笑顔と言葉以上に必要ではなかったんだろうと思います。そして定番の料理って、作り手もだけど、リクエストする側からも作られているね。毎年のリクエストから運動会の想い出の定番料理を作ってくれてありがとう。

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