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月間Yutong Sun(号外)ー中国艺术报(12/30)

新年始まって早々、昨年の話題になります 汗
2022年12月30日に郭煦さんの寄稿が中国艺术报“艺术星河”に掲載されたと、
郭煦さん、孙榆桐さんそれぞれの微博で発表されていました。
お二人にとって、よいニュースが続き嬉しい限りです!

中国艺术报(12/30) 文/郭煦

 ※冬休み中に上げたかったので、今まで以上にざっくり意訳です。多分こんな感じだろう~と雰囲気で訳したり、抜けも多いと思いますがご容赦くださいませ。

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先日、北京音乐厅で大きな拍手を浴びたピアニスト孙榆桐は明るい笑顔で舞台に立っていました。背後には観客のスマホライトで集まった”まぶしい星空”がありました。ここで孙榆桐は今回の公演最終日を終え、特別な方法でファンと記念に集合写真を残しました。

 2022年ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールのセミファイナルに進出した唯一の中国ピアニストとして、孙榆桐の成熟した独特の音楽的個性は世界中の聴衆から高い評価を得ています。最年少出場者である16歳でスペインのハエン国際ピアノコンクールで優勝し、その後”サンタンデール”や”マリア・カナルス”などの大きな国際ピアノコンクールで入賞しました。孙榆桐は中央音楽学院付属小中学校、アメリカのニューイングランド音楽院を経てピアノ演奏の学士、修士、演奏家の資格を取得し、2022年からは浙江音楽学院の専属ピアニストとして招聘されました。

 わずか27歳の孙榆桐は世界各地で演奏活動を行っており、その演奏スタイルは”安定した趣き””独特の個性””と評され、ピアノの大家ダン・タイ・ソン先生は彼を”真の音楽家”と称しました。舞台の上では自由気ままな孙榆桐ですが、普段は控えめで口下手な青年です。彼は考えることが大好きですが、アウトプットの方法は言葉や文字ではなく、彼が言うには、音楽が彼の言葉、感情表現であり、すべての思いを自分の指に伝え、舞台の上で刻み込むそうです。

 1995年生まれの孙榆桐は、7歳の時に天津音楽学院教授、謝元にピアノを習い始め、基礎を固めました。わずか1年後、孙榆桐は初めての全国コンクールで2位を獲得し、その後”卡丹萨コンクール”で2年連続優勝、”厦門鼓浪嶼全国青少年ピアノコンクール”で優勝しました。しかしながら、この成績には粘り強さと汗水流した日々が伴っています。孙榆桐は「私の両親は、非常に厳しい要求を課しました。集中力と効率を伴わないピアノの練習は絶対にタブーでした。最初の段階で練習に対する正しい態度を確立してくれた両親に感謝しています」と話しています。
 2007年、孙榆桐は中央音楽院付属小学校に首席で入学し、有名なピアノ教育者である常桦からピアノを学び始めました。「常先生が私に与えたインスピレーションと影響はとても大きく、彼女が私をプロのピアニストの世界に導いてくれました。私の芸術観と確かな技術は、この段階で常先生によって確立されたものです。私は彼女から、作品を分析する考え方や、作品のスタイルの把握、フレーズの表現、高質な音色の追求、頭の中にある音楽をどのようにスムーズに指先に伝えるかなど、これらが私にとって音楽の独立した思考に不可欠な基盤を築きました。常桦教授について孙榆桐は、感謝の気持ちいっぱいに語りました。
 同時に、中央音楽学院付属小中学校で受けたソルフェージュ、音楽理論、オルガンなどのトレーニングコースは、孙榆桐の学生時代、多角的に音楽を理解する助けになりました。彼は、付属中学校の体系的な専門教育と常先生の啓発的な指導が自分の独立した思考力を確立する上で重要な役割を果たし、アメリカでコルサンティア教授やダン・タイ・ソン教授と一緒に学ぶことをより快適にしたと、感慨深く話しました。
 渡米後、コルサンティア教授は自分の頭を使って考えるように勧め、この過程で彼は自分の言葉で作品を再検討するようになりました。孙榆桐の解釈は教授の要求と大きく異なることもありましたが、教授は反対せずに彼の解釈を肯定し、自分の解釈を持ち続けることを励ましました。孙榆桐は「音楽を学ぶことは絵画を学ぶ過程と似ています、第一段階は模倣と吸収、そして独立した思考と創作から始まります。私は中央音楽学院付属中学校とニューイングランド音楽院でこれについて完全に美しい繋がりを学びました。」と語ります。

 孙榆桐の演奏を聴くと、この若いピアニストの音楽の語彙と型破りな独特の雰囲気が、年齢を超えて成熟していることにいつも驚きます。まさに孙榆桐が語るように、演奏の中に自分の音楽言語を作るには長くゆっくりした過程が必要です。この過程で彼は音楽の真の意味を徐々に理解し、それは登り続ける演奏の道を支えました。
 「私にとってピアノは、世界とコミュニケーションする言葉です。うまく言葉にできませんが、心の中にはたくさんの確固たる考えがあり、私には言葉よりも音楽で表現する方が簡単なのです。どのパフォーマンスも、私にとってはすべて初めての新しい旅です。何千回も弾いたことがある曲でも、時間や場所が違えば常に新しい驚きが見つかります。緊張、興奮、悲しみや疲労ですら、その時の演奏に新しいインスピレーションを注入することができます。演奏は完全なレプリカではなく、唯一無二であることが最も大切なのです。」この内向的で恥ずかしがり屋で口下手な青年は、音楽で自分が自由にギャロップする世界を描きます。

 第19回サンタンデール国際ピアノコンクールの準優勝者として、孙榆桐は中国人ピアニストでただ一人、ショパン国際ピアノコンクールの予備予選を免除されました。2022年、彼は更にヴァンクライバーン国際ピアノコンクールに参加した中国コンテスタントでただ一人、セミファイナルに進出しました。
 主要な国際コンクールで重要な賞を期待されている彼は、コンクールはピアニストのキャリアのほんの一部であり、コンクール入賞が最終目的ではないと率直に話しています。コンクールで要求されるレパートリーが多いほど、プロの道を開く準備が整い、好成績を収めれば演奏の機会も増えますが、コンクールの数と参加者の増加に伴い、多くの人がコンクールで入賞することを最終目標と考え始め、審査員や聴衆の好みに沿った演奏をすることを意図しています。
 孙榆桐にとって、このように他人に合わせて自分の演奏方法を失うことは、音楽を演奏する本来の意図から逸脱しており、自分の考えを誠実に表現することによってのみ説得力のある芸術作品を生み出すことができると語ります。したがって、作品の解釈に関して彼は流行を追ったり、あえて目立つようなことはしません。「音楽の中に意図的な設計があると、わざとらしい。」
孙榆桐は率直に語ります。ダン・タイ・ソンが「芸術の前では、誰もが皆、透明です」と言ったように、誠実さだけが人を動かすことができるのです。

 現在、孙榆桐はオンライン形式で毎学期、浙江音楽学院の学生に50時間の授業を持っています。演奏を続けながら指導の道を歩み始めました。彼は「クラシック音楽が受け継がれることを願っています。教育は最も不可欠で重要な過程です。学んだことをより多くの音楽生に伝えるために最善を尽くします。ピアノ教育に少しでも貢献したいです!」_______________________________________________________

これだけの長文を寄稿した郭煦さん、掲載に尽力された解瑂先生と
张悦特先生に感謝です!(郭煦さん、高コンの準備大丈夫?!)

特に、コンクールについての考え方が興味深かったです。
3月のルービンシュタインに出場表明していますが、2023年はチャイコン開催が微妙(+国際コンクール協会から除名されているし…)、強いていえば他に大きなコンクールはシドニーくらいでしょうか…(個人的にはベートーヴェンコンクールにチャレンジしてほしい!)
コンクール出場予定が少ないなら、夏の北京公演が終わったら是非日本でもコンサートをしてほしいですね。(言霊)

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