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落ちてきて落とした

油性ペンより

水性ペン寄り


朝家を出て数分、上着に鳥のフンを落とされた。どこかの電線にいたのか、はたまた木に潜んでいたのか。なんか落ちてきたなと思って下を向いたら、胸の辺りのベトっと白いものがついている。うわっと思うものの足を止めることはできない。立ち止まると電車に間に合わなくなってしまう。焦っている反面、わりと冷静だった。上着が黒いから白いフンが目立って仕方がない。真っ白ならペンキが付いたとか言えるけど黄色い何かなどが混ざっていて、明らかにフンなのが分かる。

恐る恐るカバンからティッシュを取り出し拭き取ってみる。意外とサッと落ちてびっくり。勝手にベトっとしているかと思っていたがサラッとしている。油性ペンが水性ペンだったみたいな感覚。何度か拭くと白っぽさは大方落ちた。よくよく見ると跡がついて汚れているけど、まあ誤魔化せないでもない。でもまだ買ってから数回しか着てないのにな。

実家の車にはよく鳥にフンを落とされていたけど、実際に落とされたのは初めてかもしれない。何十年も生きてきて、今まで落とされた事がないというのがラッキー過ぎたのかも。フンを落とされたのは全く良くないけど、とりあえず落とせたから良いとするか。運がついた分いいことあるでしょ、きっと。

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