エレガントな日常/小さな夢が叶った
あぁ、夢がまた一つ叶いました。
歯医者さんのバキューム(唾を吸い取るノズル)を自分でやらせてもらったのです。
今日は歯のクリーニングの日でした。
私は「二股歯医者」という摩訶不思議な状況をみずからこしらえている状況です。
治療は推しの先生がいる遠い分院へ通い(人事異動先ごとに追いかけている)
クリーニングは徒歩1分の分院へ通っています。
(あぁ、やっぱり徒歩1分は楽チンだよなぁ。あの推しドクターが再びここへ配属されたら最高なんだけどなぁ)
傘が濡れる間もないほどに到着です。
なんたって徒歩75歩ですから。
診察台へと案内されました。
右側にクリーニングをしてくれる衛生士さん。
今日は左側にもう1人いました。
どうやら見習いさんのようです。
見習い衛生士さんはバキューム係でした。
ところが私は敏感体質であるが故に少しでも強く口内粘膜に触れられると、、、
ぉぉぉおえぇーーーっ
となるのです。
というよりは「おぇ」を極限まで我慢をしながら緊張のあまり最後にはストレス性の咳が出てしまうのでした。
今日も
あっ。あっ。もーダメ、もー限界!
咳込みそう!
と限界地点に達したところで手を挙げて合図。
左手を挙げるだけで良かったのに両手でバッテン作っては
「もぅダメ〜。勘弁してくださーい、、、」
何度もトントンと手刀を切った大袈裟な患者になりました。
「一旦うがいしましょうか。起こしますねー(椅子ぐぃーん)」
昨日のハートのない雑な作業をする氷のような目をした衛生士さんとはうってかわって、ここの分院には可愛くて愛想の良い親しみやすい方々ばかり。
「す、、、すみません。実はバキュームが当たるとあーなって、こーなるんです。出来ましたらやさしくお願いいたします。ゲホゲホっ(本心は見習いさんに強く言い放ちたい)」
その会話が聞こえたのかベテラン先生登場。
「ご自身でやってみますか?」
えぇ⁈
(そんなこと出来るの?や、、、やったー!夢が叶った、、、)
そう。
私はバキュームを自らの手で持ち、自分のタイミングで処置をしたいという見果てぬ夢がありました。
最近は特にそう妄想するようになって
「あぁ、天井に鏡があって自分で口の中を見ながらバキューム出来たらどんなにか幸せだろう」
と思っていた矢先だったのです。
念願が叶ったバキューム。
Dream come true.
これがバキュームか。
こんなにかわいらしい姿だったのね。
先端のノズルはとても細くて柔らかい素材です。
その角度も自由に曲げる事ができます。
私が想像していた器具とは全く違っていました。
私はこれまで、口の中の感触や器具のコード部分が体に当たる感覚からもっとバカでかいものだと思っていたのです。
こんなイメージです。
・ノズルはカチンカチンに固いプラスチック(曲がらない)
・ノズルの先端は斜めにカットされていてとんがっている
・ノズルは色んな人の唾液で色は黄ばんでいる
・ノズル太さは直径1cm強。タピオカのストローぐらい。
・本体と連結されているコードは掃除機の蛇腹ホースぐらい太て重い
・先生や衛生士さんによってはウッカリ前の患者さんのヨダレを拭き取らないまま使っちゃうおっちょこちょいもいる
(器具がどうなっているのか見たことないからすべてネガティブな想像が膨らみ続ける)
、、、というものでした。
〈※ネットで調べたところ、太いノズルもあるようです〉
ところがどっこい。
(死語でしょうか)
手の中にちょこんとおさまるナースコールのような持ち手に
とても清潔な細くて小さなノズルがついていました。
先端はふにゃふにゃと柔らかくて驚きました。
「じゃぁお椅子倒しますね(ぐいーん)。好きなように使ってみてくださいね。もし位置を変えて欲しい場合にはお知らせしますから」
クリーニングの際の水しぶきが顔に飛ばないように目の上にタオルをかけられました。
私は人生初のバキュームを自分で持って口に入れた喜びでいっぱい。
ちょっと手を動かしてみては肉を吸い込んて「ガガガーっ」という音に楽しくなったり、
うまく吸ったときには心の中でガッツポーズ。
だんだんツボにハマってしまい笑いで体が小刻みに揺れてしまうのをこらえました。
(もちろんタオルの下の目は笑っている)
「はい。うがいをしてください」
「がらがらがら。んぺっ。すごい!楽しいー!気が楽になりました。ありがとうございます!」
「いつも我慢されていたのですね(オェを)」
「ハイッ!子供のときから我慢しかしていません!」
心の底からの言葉がペロっと出てきました。
だってお医者さんでの診察や治療は我慢するのが当たり前だと思ってたもんね。
再びクリーニングは続きます。
そのうちに私はどこにバキュームを当てたらよいのか感覚が分からなくなりました。
そうすると衛生士さんが
「左側のもっと上のほうに溜まってますよ。そうです、そうです、そこです」
と教えてくださるようになり私はもう嬉しくてたまらなくなりました。
クリーニング終了。
「このやりかたが1番楽です。なんか衛生士さんと一緒にやっている一体感が嬉しい〜」
「じゃあこれからはこちらでノズル指導しますね!」
あはははーっとそこにいる私やスタッフさん皆んながキラキラ笑顔の空間になりました。
「どう?自分でやると安心するでしょ」
と先生も遠くから声で参戦します。
「本当にありがとうございました。天国のようです。まさか自分でやっていいとは思いませんでした」
夢は叶う。
願えば叶うものですね。
その後はベテラン先生が歯の診察に。
この歯医者さんの仕組みがどうなっているのか分からないけれど、私が別分院にて他のドクターに治療されているカルテを見ながら再び診察もするのです。
そこで私の治療をしてくれている推しドクターの(新人ドクター)いたらなかった箇所を見つけては手直ししてくれるのでした。
最初は私はどうしようとハラハラしていました。
なぜなら歯医者さんに限らず、ドクターは一般的にプライドが高くて他のドクターの治療へマウントを取るところを数多く見てきたからです。
(The 私の偏見ね)
HSP気質の私は他人事なのにも関わらず組織内外の競争心や上下関係、プライドの戦いを感じただけで気疲れするのです。
ですが。
このベテランドクターに手直しされると新人ドクターに治療された時よりも抜群に口の中が楽になるのでした。
(すごい。これが技術と経験の差なんだわ。でも私はやっぱり天性のヒーラーであるあの新人ドクター一択なのよね〜)
今日にいたっては新人ドクターのカルテ記入ミスを発見していました。
治療箇所の右と左を逆に記入していたという「そりゃ1番マズイ」ところを見つけていました。
内心笑ってしまいましたが、考えてみたらこれはとってもお得な環境です。
私が安心して信頼できる新人先生の仕事をベテラン先生がチェックしてくれて手直しする、、、
ダブルチェック方式にて治療ができるのです。
しかも新人ドクターはカルテ記入ミスも手直し箇所にも気がつき勉強できるし、
ベテランドクターはご自身の威厳を患者(私)の前で保つこともできますもんね。
二股万歳。
お会計は1カ所で済むため私も気が楽です。
私自身も自分が心地よいと思う選択を見極めて先方へ伝えて交渉してみる大切さを学んでいます。
昨日も今日も歯医者日記になりました。
一瞬、
同じようなことばかり書いているなぁ
と思いましたが有名タレントさんのブログの文言を思い出しました。
「(奥さんのノロケ話ばかり書いた日について)これは自分のsns。だから自分が書きたいことを書くんだもんね」
だよねー。
そうだよね。
自分が書きたいことを書いていいのよね。
たまーにこの原点から外れてしまう思考になります。
白紙のページ。
そこには好きな文字を打つのみ。
私は今日もエレガント。
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