三日月2

きんいろの月舟。

夕暮れに傾く空、

小指の爪で引っかいたような月、

淡く、儚く、

消え入りそうで。


あなたはきっと

痛いというのでしょう。

その儚さゆえに。

あまりの愛しさゆえに。


ひりひりと細い

空にあいた窓から


覗く




あちらとこちら。


深い、深い闇に落ちて。



凍りつくような痛みさえ、

喜びに変え

漕ぎ出せば

きんいろの月舟。



恍惚に抱かれ

天の川にうかぶ。


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