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私がコーチングに出会うまで・・

さて、実は今年に入ってからコーチングを学び始め、プロコーチとしての活動も始めております。この間Peatxに募集をかけた際に何となくスキー場の写真を貼っておいたらスキーを教えてくれ!という問い合わせが来ましたが、そっちのほうでなくビジネスコーチのほうです(笑)。

コーチングについてはもともと興味はあったのですが、一番最初に知ったのは大学生の時、メンタルトレーニングのほうからです。

メンタルトレーニングと出会う

今にして思うと体育会にも所属していないのに何でそっちの方に興味を持ったか不思議なのですが、この本を読みました。

その後、再びメンタルトレーニング関係に興味が行ったのは90年代ノルディック複合の日本チームがめちゃくちゃ強かった時。確か当時の複合チームのコーチがメンタルトレーニングを導入したんですよね。

それまではオリンピックは「勝たねば!!」という使命感を背負って戦うのが当たり前という状況に「楽しくやります!」といいながらへらへら笑って圧勝する荻原健司選手が出現したのは衝撃的でした(なめとるとか言って当時は結構非難もされていましたけど)。

最高の舞台で力を出し切るには勝つことではなく最高のパフォーマンスを行うことに注力すること、そしてそのために必要なすべてのことをそれまでに行っておけば後はそこで結果をもらうだけ!なのでわくわくしかなく緊張することはない。みたいなことが書かれていたと記憶しております。

勝つために必要なことについては選手が考えることになっているがそれにコーチが対話することで納得のいくところまで付き合う、確かそんなことも書かれていたように記憶していますがこれはまさしくコーチングですよね(当時はコーチングと呼称していたかは思い出せませんけど)。

「ゾーンにはいる」という事

メンタルトレーニングについてはその後も興味があったのでずっと関係の情報を集めていたのですが、21世紀に入ったくらいから、上記の最高のパフォーマンスを行う状態について「ゾーン」に入るという表現が使われ始めます。98年の長野オリンピックで金メダルを取った清水宏保選手が大会前にそういう状態に入り込むためのメンタルトレーニングを行っている番組を見たときにたしか「ゾーン」という表現を使っていたような気がするのですが、当時よく読んでいた「NUMBER」誌でもいろんな分野のアスリートがそういう状態に入っていたという記事があったような気がします。

極限まで心身を鍛え上げたアスリートがこの状態に入ると五感が研ぎ澄まされてすべての状態をコントロールできるようになる、曰くボールが止まって見えるとか、あと時代は前後してしまいますが日本人初のF1ドライバーになった中嶋悟が絶好調時には鈴鹿サーキットで走行中に蛇を引いたらその蛇が踏まれる瞬間に緊張して固くなっていたみたいなことをインタビューで話していたのを記憶していますがこれもおそらくゾーンに入った状態だっだのではと思います。

「ゾーンに入る」ことできるのは超一流のアスリートだけ??

ゾーンに入るというのはそういった超一流のアスリートにしか許されない世界となのかあと思っていたのですが、それとは別にゾーンに入っているかもという光景を見た経験がありました。当時IT系の企業の人事の仕事をしており採用とか教育に関わっていたのですが、主にソフトウェアの開発の仕事の世界でいわゆる「化ける」人を何人か見た事があります。どちらかというと趣味の世界からプログラムに入っていた人が多かったように記憶しているのですが、そうするとまあいわゆる「オタク」っぽい人が多くて、面接なんかでも人の顔みてまともに話できなかったりするのですが、プログラムの話題になると急に表情が変わって口から泡飛ばして話し出す(こっちは専門ではないので話の内容は全然理解できなかったりするわけなのですが(笑))みたいなタイプが応募してきたのですが、そこまで好きならやらせてみようみたいな感じで採用すると、たまにものすごいプログラムを独力で作っちゃう奴がいたんですね。当時のソフトウェアの仕事は穴掘りといわれていてプログラムが完成するまでは作っている本人しかわからない世界みたいな状況だったみたいのですが出来上がったプログラムがすごい!!みたいな感じで、やっている本人も楽しくてしょうがないもんだからほとんど会社に泊まり込んで仕事しているみたいな今では考えられないような状況だったのですが、そんな感じで何年かやっているといつの間にか人まででも堂々と話せるし、なんか別人のように成長(これを化けるといっています)するのがいたんですね。これについては最初に私が新卒で入社した会社の当時の上司(人事部長)が学チカ(学生時代に打ち込んで事)を採用基準の中ではとても重視していて、何でもいいからハマった経験のある奴が使える。そういう奴が仕事の中で何かにハマるとものすごい力を発揮するのでそういうのを探してこいとよく言われていました。

「化ける」という事

この「化ける」話については、実は学校教育の世界で同様の状況を生み出すという手法を耳にすることになります。先述したように2009年から昨年まで大学のキャリア教育、就職支援の仕事を兼務していたのですが確か2010年くらいに関西にある私立高校の求人担当の方がこういう事に興味のある教員志望の方がいたらぜひわが校を薦めてほしいというお話をされました。

その内容というのが、クラス単位で生徒たちが自主的にテーマを決めてその内容について徹底的に学ぶというカリキュラムがあり、担任になるとその支援にあたることになるのだが、それがめちゃくちゃ大変。基本的には授業以外の時間の生徒のこういう活動に付き合わないといけないので環境としてはとても大変。だけど、自主探求型で生徒が取り組むことでめちゃくちゃ深いレベルまで学びが深まり、生徒たちの学びの姿勢が自主的自律的に変わるだけでなく、その学びの過程でものすごい勢いで成長していくのを目の当たりにすることができる(生徒が化ける)のでそういう事に関わることが好きな教員志望の学生がいたらぜひ本校を薦めてほしいという内容でした。確か西大和学園高校だったと思うのですが、その頃ちょうど大学でキャリア教育の設計にかかわっていたこともあり、意図的に化ける環境を作り出すという教育手法にとても感心した記憶があります。西大和学園高校は東大や京大に毎年何十人も進学する関西有数の進学校であることを当時の私は知らなかったのですが、自主課題探求型の学びの機会を作るとハマる経験を生み出すこととそのハマった経験から学びの目的が定まるとそれが進学理由(例えば東大の航空宇宙学の○○先生のところでこんな研究をしたい)になるのでそれも進学実績につながっているというお話をされていて「なるほどなあ」と感心した記憶があります。

何かにハマるというのは「内発的動機付け」による没入経験の状態のことを指していると思います。私自身は心理学の専門でも生理学の専門でもないのですがこれが恐らく「ゾーンに入っている」状態なのではと考えています。面白いのは内発的動機付けで何かに夢中になるという状態は子供のころでもあるわけでそういう意味では超一流のアスリートでなくてもそういう状況に入ることができるのではという仮説が成り立つわけですね。ソフトウェアの世界で化ける人が多いのは頭の中で抽象化されたロジックを組み立ててプログラムに変えていくという部分がそれが楽しい人にとっては個人で没入しやすい内容であるのかなという気がします(ハード系とかだと他人との協業の部分があるので一人で没入しにくいのかなと)。

コーチングはわくわくと向き合うことである

さて、企業の人事で20年、転職エージェントで12年、大学の就職支援、キャリア教育で10年仕事をしていてコーチングを学ぶことになり、縁あってZAPPASの養成講座で学ぶことになりました。その中でコーチングの基本として傾聴スキルがあることを学びました。話しやすい場を作るとともに聴き手として話し手の心の奥底に眠る本当の願いを探り言語化することがコーチの役割であると教えられました。そうした能力を高める過程の中で、ペアトレーニング(片方が話し手、もう片方が聴き手とういうのを交互に練習するロープレ)を受講者同士でよく行っており、その中で「自分はどんなコーチになりたいか」というテーマで何度も練習しました。最初は北陸で働く人と企業を経営する人の中でわくわく働く人を増やしたい、そうした人が増えることで北陸がもっと元気になるようにしたいというのが目指すコーチ像だったのですが、何度も掘り下げていく中で自分が本当にやりたいことがちょっと違うというか、もっと根底でやりたいことが具体化されてきたように感じでいます。最初は弊社のブランドスローガンでもある「北陸をもっと元気に」という想いだと自分でも思い込んでいたのですが、実際に自分の周りで地元の活性化に我が身をささげて打ち込んでいる方々の覚悟みたいなものを自分が持っているかと考えたときそれはちょっと違うなあと思ってしまった自分がいることに気づいてしまったのです(もちろん結果的にそうなればよいという想いはあるのですが)。で、そこを掘り下げていくとどうやら自分は人が化ける瞬間に関わることが最も自分のわくわくにつながっているということになるようです。自分のかかわっている人が爆発的な成長を遂げる瞬間に立ち会う、あるいはそのきっかけを作るということが自分にとってももっともわくわくする瞬間であるということのようです。

※先日垂水様のオンラインセミナーに参加させていただいた際にこんな形で私のことをまとめていただきました。

そうやって考えるとコーチングは自分のわくわくを満たすうえでこれからの人生を楽しく生きる格好のスキルかなあと思っています。

コーチングっておそらくそういう事なんだろうなあということは5-6年前からうすうす感づいていたのですが、生来のへそ曲がり的な性格もあり、ツンデレ状態でしばらく意図的に避けていた期間もあったのですが、昨年秋に体調を崩し大学の仕事から離れることになったときにこれからの自分の生き方、働き方をどうするかを考え、そこでコーチングに向き合おうと思った次第です。自分にとってこれからの働き方を考えるときに「ワーケーション」的な働き方(場所に縛られない働き方)をやってみたいという想いもあり、オンラインコーチングはそういう生き方にもとてもハマる働き方であることも気に入っています。

そんな感じでこれからコーチングと向き合いながらいろんな人の化ける瞬間に多く立ち会えることに期待しています。


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