愛知チームレガシーで使用したイゼット親和について

着想

前日のレガシー選手権で4-4という不甲斐ない戦績を残した自分は、残るチームレガシーで迷惑はかけまいと遊びなしの全力で構築に挑んだ。
失敗作のヨーリオン親和から強いエッセンスを抽出し、それを中心にデッキをシャープに組み直したのだ。

強いエッセンスとは

ヨーリオン親和を使ってコレは強いと感じた動きは以下の通りである。

1.舷側砲の砲撃手


言わずと知れたパワーカードの一枚。ゴブリンデッキ等の赤いストンピィデッキで主に使用されているカードだが、親和との相性もとても良い。
金属ガエルや滞留者の相棒は元のマナコストが高く、6〜9点のダメージを与えることが出来る。
また、ゴブリンデッキと違い『湖に潜む者、エムリー』を使用すれば繰り返しの砲撃が狙えるため、採用する価値があると判断した。

2.アガサ魂の大釜

とはいえ、そんな動きだけで勝てるほどレガシー環境は甘くない。
メインデッキから環境上位のデッキを対策しつつ自らのデッキを強化する、そんな都合のいいカードあるわけ…

あ り ま し た

というわけで白羽の矢が立ったのが見出しにもある『アガサ魂の大釜』通称:鍋。
モダンのユーザーが日々様々な具を煮込んでいるこのカード、メインから相手の墓地を睨むことが出来るだけでなく、エムリーや砲撃手を追放することで自軍の生物に能力を付加できるまさにうってつけのカードでした。
青黒想起が環境に蔓延っている現在のレガシー環境では、メインから『再活性』の対策を取ることは珍しくなく大釜を自然と採用することが出来ました。
副次的な効果として強力な起動型能力持ちの『エルフの開墾者』の能力で『ウルザの物語』をサーチするという小技も手に入れることが出来た。
かくして『砲撃手』、『エムリー』、『大釜』
この3枚のカードを軸にデッキは組み上がった。


ヨーリオンなんていらなかったんや

本来はここに指輪とダニの枠に『意思の力』が入っていたが、青いカードが少なすぎるのと、手札に青いカードが残らないことからこの形になった。
もしメインから打ち消しを取りたい場合は『金属の叱責』を採用することを強く勧める。

採用カードについて


土地:18枚

3マナ以上のカードが10枚と重めのデッキでマナ詰まりを起こして死ぬのがこのデッキの大きな負け筋である。
『ウルザの物語』が土地としての信頼度が低いため、多めに土地を採用している。
また、破壊不能の『銀色険の橋』を採用しているが、これは色マナの安定を助けるだけでなく、『溶融』、『静寂』、『不毛の大地』に耐性を持っているため前述のマナスクリューの解消に貢献してくれた。
タップインなのが玉に瑕だが、意外とタップインを許容出来るターンはあるため2枚程度の採用なら問題を感じることは少なかった。
ピン積みである『島』は言うまでもないが『フォモーリの宝物庫』は最高のマナフラッド受けなのでスロットがあれば一枚採用してみることを是非お勧めする。
このデッキならではになるが、手札から『砲撃手』や『エムリー』をコストとして捨てることで設置済みの『大釜』から展開や除去を可能にするなど、トリッキーな動きをすることが出来たので覚えておいて損はないと思える。
盤面を構築した後のこのカードは、概ね土地から『時を超えた探索』を打っているようなものなので、とても楽しくカードテキストを確認した相手の、首を傾げる動作や、苦悶の表情を見ることが出来る。

クリーチャー:21枚

現環境はオークの弓使いにより、タフネス1のクリーチャーは採用することが難しい。
また『砲撃手』や『身代わり合成機』との兼ね合いでデッキのクリーチャーはマナコストが高いことが望ましい。
その結果選定されたのがこの21体のクリーチャーである、順番に採用カードを見ていこう。

『湖に潜む者、エムリー』
言わずと知れたアドバンテージの権化。生き残りさえすれば毎ターン絶大なアドバンテージを稼いでくれるこのカード、基本的に『ミシュラのガラクタ』『ウルザのガラクタ』との組み合わせが前提と思われがち、だが今は違う!(ギュッ)
このデッキにおける『エムリー』の役割は展開補助及び砲丸の補充兵だ。
砲撃手が投げ飛ばしたカードをせっせと場に再装填することでライフアドバンテージを稼ぐ補助に徹する。
毎ターンアーティファクトを唱えることによる『継ぎ接ぎ自動機械』との相性は言わずもがな、仮に除去されたとしても墓地にいるだけで『大釜』から能力を付与できるため、無駄がない。
場の全員が『エムリー』と化し、手札の除去を泣く泣く打ち続ける対戦相手の姿には涙を禁じ得なかった。(直後に相棒を二回投げ飛ばして爆殺したが)
白いデッキは追放除去が多いため、サイドボード後は抜くことが多いが、それ以外であれば、鍋用に一枚はメインボードに残しておいても良いかもしれない。(scamデッキは『ダウスィーの虚空歩き』がいるためサイドアウト推奨)

『金属ガエル、滞留者の相棒』
ナニモイウコトハナイ。
絶対にサイドアウトしないメインのクロックであり、デッキの様々なカードとシナジーを掲載するクリーチャー達。
『金属ガエル』はサイズは小さいが、最も低いコストを持つ0マナで出せる親和クリーチャーのため潤滑油として欠かせない。
『滞留者の相棒』も手札に親和カードが貯まると手札で消化不良を起こしてしまう点を、アーティファクトサイクリングにより克服しており、1ターン目『古えの墳墓』からサイクリング、2ターン目に3マナのアクションに繋がることが出来るため、キープ基準にもしやすいカードなので、こちらもサイドアウトは絶対にしない方が良いだろう。

『舷側砲の砲撃手』
ブッ壊れ。ただその一言に尽きる。
ライフを詰める速度が尋常ではなく、威迫付きのため、戦闘でも生き残りやすい。
リアニメイトデッキ相手でも、出されたデカブツを後出しで対処できる可能性を持っており、ポテンシャルが非常に高い。
このデッキに赤を採用する理由であり、このカードを使わないなら青単で良いと思われる、それくらいのカードパワーを持ったカードだ。
親和クリーチャーを飛ばしてみな、トブぞ。

『継ぎ接ぎ自動機械』
護法2を持ち、アーティファクトを唱えるたびに大きくなるクリーチャー。
唱えるごとに誘発するので、『門衛のスラル』をすり抜けることが出来、+1カウンターが乗るため『大釜』との相性が抜群。
あと引きすると弱いカードではあるが、その際は『大釜』によりシステムクリーチャーとして運用すれば良いため腐ることは少ない。
クロックとして明確にキープ基準になるカードのため、『墳墓』『サーガ』『自動機械』と引いた場合は、『自動機械』から唱えることを優先したい。(勿論他の手札にもよる)

『機能不全ダニ』
マスコット、可愛い。
と言うのは冗談として、『大釜』によるシナジーを狙って採用している、それより『真髄の針』の方がメインデッキには欲しいのであれば交換して良いだろう。


クリーチャー以外のカードについて:21枚

『オパールのモックス』、『水蓮の花びら』
レガシー環境では比較的よく見る0マナのアーティファクトである。
勿論親和でも採用できる強力な加速カードであるが、『オパールのモックス』が3枚採用なのには理由がある。
『オパールのモックス』は伝説のカードであるため、場に1枚しか存在できない。
アーティファクトカウントが必要になる親和デッキにおいて、この点は案外重く、使い切りとはいえ場に並べられる『花びら』の方を重用している。
1枚引ければ仕事が出来る『オパールのモックス』と複数枚引いたほうが嬉しい『水蓮の花びら』
このように文面で並べてみると、採用している枚数にも納得頂けると思う。
尚、絶対にこの比率で組まなければならないと言うわけでは無い、4枚ずつの採用でも勿論問題はなく、余ったら『砲撃手』で砲弾にして仕舞えば良いため、個々の好みの範疇と言えるだろう。

『身代わり合成機』
サンダージャンクション、ビッグスコアの筆頭カードであり高騰を続けているカード。
(ぶっちゃけそんなに使うデッキ無さそうだけどなんで未だに高いの?)
事前評価通り親和カードとの相性が抜群であり、このデッキのクロックの中核を担う…はずだったのだが3マナという重さから意外と活躍する場面は少なかった。
勿論活躍しなかった訳ではない、トークンに除去を打たせることで相手の手札を奪うことができたし、馬鹿でかいトークンで押し切ったこともあった。
しかし3マナと言う重さからでたターンに仕事をしないことも多く、サイドボード後、赤い相手から親の仇のように『赤霊波』が飛んでくるので、サイドアウトすることもあった。
総じて少し重い、あるいは遅く、テンポを取られてしまうことも多かったので、着地後すぐに重いアーティファクトを着地できるようプレイングでカバーしていきたい。

『アガサ魂の大釜』
前述したため、ここでの記載は省略させて頂く。
このカードを使う際は、起動に必要な色マナが免除されること、クリーチャーを追放した時点で既に+1カウンターの乗っている生物は能力が起動できるようになっていることを忘れないようにしたい。

『一つの指輪』
the・パワカ。
エムリーで墓地と場を入れ替え続けて実質無限ターン。
ローンが溜まった指輪を投げ飛ばしてツケの踏み倒し。
やって良いことと悪いことがある。

ピン刺しのほぞ達
コレらのカードは8キャストでも採用されて来たカードであるため、あまり見ない『黄鉄の呪文爆弾』のみ解説を行う。
(参考までにやって楽しかった行為として、『砲撃手』に『影槍』をつけるとすごいことになると記述しておく)
とは言っても能力は非常にシンプルで、赤マナを払うことで2点のダメージを飛ばせる。所謂『ショック』を打てる。
発生源が無色のため、『ルーンの母』を貫通できる点や
青黒リアニ擁する『悲嘆』、『ダウスィーの虚空歩き』や、『オークの弓使い』と『弓使い』に除去されないとたかを括ったタフネス2の連中を除去することが出来るため、仕事量が案外多いカード。
『上天の呪文爆弾』では一時凌ぎにしかならない低マナ域のクリーチャーをしっかり除去してくれるため、環境にマッチしたカードと個人的には考えている。

サイドボードについて


際立って変わったところは無い。
メインに『大釜』を取っているので墓地対策が過剰な気もするが、無ければ無いで負けていたマッチもあったので枚数に不満はない。
『魔道士封じのトカゲ』が少し怪しいが、『影槍』をつけると面白いことになるので採用している、この枠は正直怪しいので好きなカードに入れ替えて欲しい。

サイドプランについて

拙いながらも愛知で考えたプランを記述しておく。
ツッコミどころ満載のサイドボードだと思うので、こうした方が良いなどアドバイスを貰えると幸いだ。

対青黒リアニ
OUT:エムリー4、ダニ1
IN:霊柩車1、檻1、忌み者2、霊気格子1

『虚空歩き』があると完全に腐るエムリーを抜き、墓地対策を入れる。
『アトラクサ』と『執政官』を除けばクリーチャーのサイズは低いため、繰り返し使える除去として『霊気格子』もINする。
打ち消しについては入れて方が良いかもしれないが、ハンデスによる前方確認で役に立たないこと、場に出されて詰むような致命的な置物を採用しているリストがあまり無いことから上記のサイドプランを取った。

対豆コントロール
OUT:赤青爆弾2、花びら1、大釜1、エムリー1
IN:針1、金属の叱責2、トカゲ2

基本的に『ウルザの物語』にカードを使わせる事が重要。
リソースを使って貰えば後続の動きが倒しやすくなるのでその点を意識したい。
致命的なカードとして『溶融』や『破滅的な行為』を採用していることがあるため、サイドボード後には打ち消しを入れている。
針は指輪用、トカゲは入れなくても良いかもしれない。

コンボデッキ
OUT:合成機3、エムリー3、赤ボム1
IN:トカゲ2、打ち消し5、(デッキによるが檻や霊柩車など)
基本的に受けるゲームなので遅いカードを抜いて打ち消しでなんとかする。
正直お祈りポイントなので相手の手札とこちらの手札が噛み合うのを祈る。
相手のデッキの方が早いため、こちらが動ける手札でキープするのではなく、マリガン基準を厳しくして、動けるかつ相手を妨害できる手札をキープしよう。

後書き
以上、駆け足となってしまい、文字数の少ないあっさりとした記事になってしまったが参考になれば幸いです。
戦績としてはチームレガシーで個人成績5-1を達成できたので満足しています。
負けた相手も相性不利な土地単だったので、他のデッキには戦えるだけのパワーはあると思っています。参考までに当たった相手と戦績を記載しておきます。

セレズニア土地単1-2
白単デスタク2-0
UBscam2-1
マルドゥリアニ2-0
URデルバー2-0
青白奇跡2-1

もうすぐ発売のモダンホライゾン3により、このデッキは崩すことになると思いますが、基盤となる『砲撃手』『エムリー』『大釜』は使っていきたいと思うので、アドバイスなどあれば頂けますと幸いです。
またnoteも書き慣れていないため、こうすると良くなるなどのアドバイスも頂けると大変助かります。

以上、親和おじさんでした。

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