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春風亭昇太のことも褒めてくれ

日曜に放送された「笑点」。今回は歌丸師匠追悼の特別番組だった。
50年間近くもの間笑点を支えてくれた歌丸師匠の活躍ぶりをお送りするとともに、現笑点メンバーが各々のエピソードを語る前半。そして後半は「歌丸師匠ありがとう大喜利」と称して歌丸師匠をネタに大喜利をするというなんとも攻めた構成に私は目一杯笑わせていただき、そして感極まった。
おそらく世間の方々のハイライトは最後の円楽師匠の涙であろう。「ジジイ!…早すぎるんだよ!」といつも歌丸師匠とやり合っていた悪態をつきながらも、声を震わせ涙を隠しきれなかった円楽師匠の佇まいに涙した方も多いのではないだろうか。

歌丸師匠が亡くなられたのは7月2日、そして笑点の放映が7月8日。収録日のことを考えるとあまりにも急ピッチであるし、まだ心の整理もつきにくい日取りの中、番組を大盛り上がりで成立させた演者・スタッフはまさにプロと言えるだろう。

その中で私は春風亭昇太師匠の司会ぶりをピックアップさせていただきたい。
先代円楽師匠が司会を勇退し、歌丸師匠が引き継いだ際の新メンバーとして笑点の仲間入りを果たした昇太師匠。垢抜けない振る舞いと独身ネタ(あと噛み芸)で着実にキャラを培い、昇太・円楽・たい平の悪ガキ三兄弟で司会の歌丸師匠から座布団を奪われまくっていたのは記憶に新しい。

そんな1番の若手として躍進していた最中、歌丸師匠勇退からのまさかの司会抜擢である。
正直視聴者的には観ていて不安たっぷりだった。名司会が続いた後の抜擢なのだからそれはもうしょうがないと言えばしょうがないのだが、はじめはなんというかおっかなびっくりな司会ぶりだったような気がする。
だが少しずつ司会もこなれ、唯一無二の「格下司会」という稀有なポジションで現在まで日曜夕方の花形を取り仕切っている。

そして日曜の追悼企画である。
上記したように切羽詰まったスケジュールとメンタルの中、「明るく楽しく笑える笑点」として笑顔で先輩たちの話をまとめ、大喜利では小気味よくお題を回し、座布団を奪い、山田隆夫を弄る。最後の円楽師匠の涙も、その感情を汲み取りながらも笑顔のままで笑点をお開きした昇太師匠に私は大きな拍手を送りたい。

笑点メンバーの方々には数えきれないほどの歌丸師匠の思い出があったことでしょう。まだまだ話したいこと言いたいことが山ほどあったに違いない。
その中で昇太師匠は唯一、「歌丸師匠から司会を継ぐ」という大役を任され、笑点の船頭として今も活躍している方である。きっと歌丸師匠から直接助言や助け舟をいただいたことでしょう。だからこそ昇太師匠の一番の葬いは「笑点の司会を全うする」ことであり、今回の追悼番組での司会ぶりは歌丸師匠への最後の手向けに相応しい素晴らしい大仕事だったと私は言いたい!!

だから!!もっと!!春風亭昇太師匠のことも!!褒めてあげてくれ!!頼む!!

円楽師匠の涙と同じくらい、私が感極まった司会ぶりでございました。これからも「明るく楽しく笑える笑点」を楽しみにしておりますので、お身体にはお気をつけて末永く活躍してください。
そして歌丸師匠、本当にお疲れ様でした。未来永劫「笑点」が続いていく姿をどうか天国で見守っていてください。ありがとうございました。

#お笑い #笑点 #春風亭昇太 #桂歌丸 #三遊亭円楽

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