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出来心

 先日、ちょっとした出来心でアルバイトに応募したら採用されてしまったので日々働いている。
 朝9時出勤の通勤電車が、あんなに混雑するとは知らなかった。富山県名物鱒の寿司のご飯粒の気持ちがよくわかった。壁画のような体勢を強いられて動くことができず、それだけで1日分のパワーが完全にゼロになる。
 仕事内容は事務作業で、右の物を左へやって右に戻し上の物を下へ動かす、みたいなことをやっている。次から次へとやらなくてもよさそうだけどやらねばならぬとされていることが湧いてくるお仕事。
 たいていの会社には、たいていよくわからない慣わしがある。シキタリと呼んでもいい、なんか知らんけど大切にされていることがある。峠の石を踏んだらバチがあたるぞ的な風習。村人は先祖伝来たぶん大切にしているのだろう。感想はともかく尊重するようにはしている。
 そしてこんな人が職場にいたら嫌だなという人が必ずどこにもいる。100%自分の過失なのに絶対に謝らない人(いますよね)。謝るにしてもいやいや謝る(いますよね)。いやいや働く(いますよね以下略)。口を開けば愚痴。口を開けば人の悪口。所作が騒々しい。エンターキーをたたきつける。なにがなんでも勝ちたがる。ひとを小馬鹿にする。細かいことで急に不機嫌になる。
 少なくとも自分だけは「こんなやつといっしょに働きたくない」ような行動はやらないように気をつける。
 よくわからない身分制度があったりして、カースト下位の人ほどカースト上位の人を無闇に持ち上げ、自分よりさらに下位の人を虐げたがる人などがいる。わりとうんざりする。
 生きとし生けるものすべては同等であると思っているので、犬も猫も、赤ちゃんも天皇陛下もすべて等しいいのちと思っている。好きな人と嫌いな人はもちろん区別するけれど、その他のモブには一様に丁寧で親切であるよう心がけている。
 いままでしじゅう家にいてごろごろしていた飼い主が朝から晩まで出かけるので、猫が、わたしが家にいるとずっと膝に乗るようになった。そろそろ暑いのでずっと猫を膝に乗せていると汗が出る。猫もときどき膝から降りて毛繕いをしている。毛繕いして少し冷ますとまた膝に戻ってくる。
 また、飼い主がいないと暇らしくて、ごはんをたくさん食べるようになった。あれほどムラ食いで、朝にお皿に出したときに2、3粒食べたきり夕方までそのままだったりしたのに、いまでは帰宅するとお皿が空っぽになっている。朝もお腹が空いたといって起こすようになった。(朝4時半ごろ)
 ちゃんとごはんを食べるのはいいことだ。
 猫よ、飼い主が昼間にどこかへ行くの、いつまで続くのだろうね?

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